守備について何から教えればいいの? スピードスターと言われる選手への対応法は?

2018年07月07日

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Q. スピードスターと言われる選手の対応に手を焼いてしまいます。


回答
大事なのはタッチングディスタンスをとること。いつもの倍近いタッチングディスタンスをとってもいいと思います。

スピードスターと言われる選手の対応に手を焼いてしまいます。

 ついついやってしまいがちなのが、ディフェンダーがボールウォッチャーになってしまい、スピードに長ける選手と横並びで構えてしまうことです。ふいに自分の背後にボールが出てきたとき、スピードのある相手と「よーい、ドン!」で勝負をすれば勝負になりません。大事なのは、相手に対してタッチングディスタンスをとることです。

 タッチングディスタンスとは、相手の背後から手を伸ばして触れるか、触れないか、という距離を取るということです。このとき、相手のフォワードは背後にディフェンダーを置くようになるので、ディフェンダーがどれくらいの距離にいるのかわかりません。また、ディフェンダーが手を伸ばして触れるかどうか、という距離にいるので、フォワードから背中にいるディフェンダーは触ることができません。それが、タッチングディスタンスの絶妙な距離と言えるものです。

 スピードのある選手に対しては、このタッチングディスタンスを長めにとることも賢明だと思います。そうやって相手が走り込みたい場所を先取りし、スペースを埋めてしまう。こうしたときに、スピードのある相手がディフェンダーの背後をとるのは難しいと考え、足下でボールを受けるようになればこっちの勝ちです。スピードのある選手が足下で止まってボールを受けても、スピードに乗ってボールを受けられるよりは怖くありません。

 また、スピードのある選手に対して、その前にいる守備者がパスコースを限定し、スピードのある選手の足下にボールを入れさせないような守備ができていれば、スピードのある選手をマークするディフェンダーは背後に出てくるボールだけを意識していればいい、という状況を作ることもできるでしょう。

 そういう組織的な対応の仕方もあれば、組織的な対応が難しいときに個人としてタッチングディスタンスの距離を2倍とって対応することもあります。状況によって最適な方法を見つけて自分の身を守ることが重要なのです。


<プロフィール>
松田浩(まつだ ひろし)

1960年9月2日、長崎県長崎市出身。筑波大学を経て日本リーグ2部のマツダSCに入団。その後、ヴィッセル神戸でプレーし95年に引退。監督として、恩師スチュワート・バ クスター仕込みの精密な4‐4‐2のゾーンディフェンスを用いて05年にアビスパ福岡、 翌06年には神戸をJ1昇格に導いた。その後、栃木SCの監督や日本サッカー協会のナショナルトレセンコーチなどを歴任したあと、現在はV・ファーレン長崎の育成部長を務める。ゾーンディフェンスへの造詣が深く、日本最高の守備マイスターと崇められる。


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