ポジショニングの次は「構え」。状況に応じて使い分けたい、GKの基本的な4つの“姿勢”
2018年08月03日
コラム小学生に「構えて」と言うとひじを90度に曲げて
3つめは、3m以内のもっと近い距離です(図15-1)。
かなり間合いが近いので、構えは低重心です(図15-2)。ボールに近い目線を持ち、切れるシュートコースに素早く入ります。このとき重心をできるだけ低くし、身体近くのボールに、手足で反応できるようにします。ボールに手を伸ばせば、すぐに届くような位置まで重心を下げ、ボールにアタックできる姿勢、シュートコースに手足を伸ばせる姿勢を取ります。
低重心の構えを作るときに気をつけてもらいたいのは、前傾姿勢を保つこと。この構えで後ろ重心になると、そこから前にアタックするのは難しい。横にも反応しづらく、後ろに倒れてしまうこともあります。そうならないように前傾姿勢を取って、変に身体が動かないように構え、ボールが来る瞬間に手足を出します。
前傾にするためには、腕を身体よりも前に持ってくることが大事です。手をだらんと伸ばしすぎると力が入りづらいので、少しひじを曲げるくらい、角度でいうと120度から160度くらいです。日本においてもGK講習会等で最初に構え方を指導しますが、小学生に「構えて」と言うとひじを90度に曲げて手を前に出す子が多いです(図16)。
肘を身体に近づけるように構えると、後ろに重心がかかってしまいます。手の置き方も、正しい構えを作るためのポイントですね。
最後の4つめは、ボールとの距離が1mよりもっと近いときです。この状況では股間を閉じ、ボールが身体に当たる面積を広げるように、ブロックの構えを使用します(図17)。
以上が基本の4つの構え方です。高重心は力が抜けている状態、中重心は少し力が入っている状態、低い重心はしっかりと身体に力が入っている状態、ブロックの構えは壁を作った状態、というイメージですね。
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【著者】川原元樹・清水英斗
【発行】株式会社カンゼン
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世界トップクラスのGKを育成し続ける“GK大国”ドイツには、マヌエル・ノイアー(バイエルン・ミュンヘン)やテア・シュテーゲン(バルセロナ)といった名だたるGKが君臨し、自国リーグのGKも総じてレベルが高いことで有名。
ドイツで「当たり前」とされているGK技術を、日本のGKは「当たり前」に身につけられているのだろうか?
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