熱中症だけじゃない! 注意したい「夏の気象災害」。豪雨の予測や雷への対処法は?

2018年08月07日

コラム
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雲が教えてくれる天気の変化

 先に述べたように、最新の気象情報のチェックは大切ですが、空や雲を観察することも天気の予測にはとても役立ちます。空や雲から天気の変化を予測することは「観天望気(かんてんぼうき)」と呼ばれており、なかでも “雲の形”を用いる観天望気は科学展根拠があるため有用です。雲の形をうまく見分け、最新の気象情報を加味すれば、天気の変化を容易に予測できるようになります。雲に愛着が持てるようになると簡単に見分けられるようになります。それでは、代表的な雲を見ていきましょう。

①雨を降らせやすい“雄大積雲”
雄大積雲
モクモクとした形をしていて、夏など暖かい季節に出やすい雲です。同じようなモクモクした雲でも、低い空で平べったい形(扁平積雲)をしていたり、空高く発達していなければ(並積雲)、雨を降らせることはありません。しかし、写真のように高さが出てくると(※雄大積雲と言います)、雲の中で雨粒や雪の結晶が成長します。このような雲を見かけたら、大気の状態が不安定で、天気の急変の可能性を考えるのが良いでしょう。

②“積乱雲”は大雨や竜巻をもたらすことも
積乱雲
①で説明した雄大積雲が成長したものです。雄大積雲が限界まで発達すると、雲の上部が横方向に広がるようになります。これが、積乱雲の形の特徴です。積乱雲は大気の状態が不安定なときに発生し、雷を伴った局地的大雨や、ときには竜巻の原因にもなることもあります。積乱雲の真下では雷雨になっているので、遠くの空に積乱雲が見えたら、スマートフォンなどで気象レーダーの雨量情報をチェックし、積乱雲の動きを注視しましょう。
 
積乱雲の中では、雨が蒸発したり雪が溶けたりするため、冷たい下降流が発生します。これが地上に達する際に引き起こす突風はダウンバーストと呼ばれています。さらに、地上に達した冷たい空気が周囲に広がり、ガストフロントと呼ばれる突風前線を形成することがあります。ガストフロントが暖かく湿った空気を持ち上げ、ロール状の雲を形成することがあります。この雲はガストフロントとともに移動するため、雲が自分の真上を通過する瞬間に突風が発生します。「冷たい風が吹いて来たら、雨に注意」という言い回しがあります。これは、積乱雲から発生した冷たい風と積乱雲本体による降雨のことを指しているのですが、実際には冷たい風が突風であることもあるので、注意が必要です。ロール状の雲が迫ってくるのを目視で確認できたときには、すぐに屋内に避難するようにしてください。

③山の天気変化を伝える“吊るし雲・笠雲”
吊るし雲
【吊るし雲】

笠雲
【笠雲】

山の天気も変化しやすいということで有名ですが、山で発生する吊るし雲や笠雲は悪天の前兆として観天望気に利用できます。これらの雲の見た目がツルッとしているのは、上空が強風になっている証拠です。標高の高い山などでの合宿中にこれらの雲を見かけたら、特に注意してください。

また「朝焼けは雨、夕焼けは晴れ」「飛行機雲が見えたら雨」という言い回しもあります。しかし必ずしもそうなるとは限らないのが天気の実情です。もちろん言い回し通りの空模様になることもありますが、このような空模様が見えたら、まずは天気予報をチェックするのが一番でしょう。それと同時にこうした空や雲は本当に美しいので、じっくり眺めたり、写真に残したりして、楽しんでもらえると嬉しく思います。

夕焼け
【朝焼け】

朝焼け
【夕焼け】

写真提供●荒木健太郎『世界でいちばん素敵な雲の教室(三才ブックス)より』

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