たった少しの修正で状況が一変!バルサ指揮官が示した修正力。町クラブのパーシモンが見せた戦術的アプローチとは?/ワーチャレ取材日記①
2018年08月24日
U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2018取材・文●木之下潤 写真●木之下潤、ジュニサカ編集部
大宮アルディージャが体現した日本らしい基本的なサッカー
「明日には台風が直撃!」
そんなニュースを目にするなか、大阪モノレールに乗り込んだ。会場の最寄り駅「万博記念公園」に降りると、太陽の塔が出迎えてくれた。青空に燦々と降り注ぐ日差しを一身に浴びるその塔は、まさに岡本太郎の代名詞「芸術は爆発だ!」の言葉を体現するかのようにそびえ立つ。それを見て「情熱的なサッカーが見られるといいな」なんて思いつつ、会場まで20分ほどかけて歩く。OFA万博フットボールセンターに着くと、汗が噴き出してきた。この日の最高気温は35度。ピッチに足を踏み入れ、人工芝の照り返しの中に身を置くとタフな1日になることを予感した。
さて、そこから15分ほどで試合開始のホイッスルが鳴った。初戦はAグループの「大宮アルディージャジュニア(以下、大宮)×クラブ・ティフアナ」と「サンフレッチェ広島F.Cジュニア×ソルティーロ・ワールドセレクト」の試合。クラブ・ティファナはメキシコリーグの1部に所属するクラブの育成組織だ。日本にいるとなかなか観戦できないチームなので、こちらの対戦を見ることに決めた。
パー、パパパ、パー、パーと入場の音楽が流れると、選手たちが入場してきた。大宮の選手たちが小さいからか、数人のクラブ・ティフアナの選手の体が大きく見える。いずれにしろロシア・ワールドカップでメキシコ代表がドイツ代表を破った記憶が鮮明に残っているので期待感が高まった。
試合が始まると、序盤はクラブ・ティフアナが落ち着いたボール回しを披露した。大宮の選手たちが11人制サッカーに対応できていないところもあるが、クラブ・ティフアナ選手はボールを受ける前の体の作り方、1タッチ目のボールの置き所といわゆるボールの受け方がスムーズで、基本がしっかりしている印象を受ける。前半10分、ペナルティエリア内で大宮のディフェンダーが浮き玉の処理に戸惑いこぼれたボールを、クラブ・ティフアナの選手が頭で押し込み、ラッキーな形で先制点を挙げた。少なくとも前半残り5分ぐらい前まではクラブ・ティフアナがスムーズにプレーを進行し、精神的にも押し気味に試合を進めていた。
一方の大宮も、時間の経過とともに自分たちよりも体の大きなクラブ・ティフアナの選手たちとの肉弾戦に慣れていった。一度体をぶつけ、スッと相手とボールの間に体を入れてマイボールにし始める。すると、日本人らしい小回りの効いたボールテクニックで丁寧にショートパスをつなぎ出し、前半の終盤はペースを握り返した。
これは後半が楽しみだ。
後半に入るとそれまでの展開が一転し、大宮が試合を支配した。ディフェンスラインから丁寧にボランチにボールを預け、そこからサイド、前線へとパスを散らす。そのリズムのいい時間が長くなるほどクラブ・ティフアナの選手たちは疲労の度合いが増し、後半の半ばからは完全に足が止まってしまった。移動や時差の疲れもあるのだろう。
ただそれを除いても、大宮の選手たちは自分たちのパスの距離を理解し、必要以上にお互いのポジションを離れず、味方の状態によってその距離感を調整しながらポジショニングの判断と動きはすばらしかった。何よりボールを奪われた後のアプローチとプレスバックの早さにクラブ・ティフアナの選手たちがメンタル的にやられてしまった感が大きかった。しかし、大宮の選手たちのがんばりもむなしく、そのまま1対0でクラブ・ティフアナが勝利した。大宮がいいサッカーを展開していただけに残念だが、2試合目以降に期待が持てる内容だった。
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