「攻めること」ばかりに焦点を当てていいのか?日本に足りない守備の個人戦術
2018年09月03日
コラムバルセロナやバイエルンのような華麗なサッカーは見る者を魅了します。子どもたちはそんなプレーに憧れ、鮮やかな攻撃のためのトレーニングを積みたいものです。しかし、指導者が『攻めること』ばかりに焦点を当ててもいいのでしょうか。(2016年)3月に、中野吉之伴氏が親交のある大豆戸FCの協力を得て指導者クリニックを開催しました。今回はその体験をもとに『守備の個人戦術』にスポットライトを当てて日本の守備を考察します。
文●中野吉之伴 写真●佐藤博之、Getty Images
『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol41』から一部転載
技術と戦術と同様に攻守はそもそも切り離せないもの
普段、私はなかなか日本のサッカーを見る機会がありません。たまに日本代表やJリーグの試合、また知り合いのチームの動画をチェックしたりするぐらいです。だから、帰国したときはさまざまなカテゴリーの試合や練習に足を運ぶようにしています。 そのとき、いつも気になる部分があるのです。それは日本でのゴールやチャンスシーンの見方についてです。
テレビ中継に目を凝らしていると、解説者の方までもがサッカーを攻撃側の視点でばかり語っていはいないでしょうか?「素晴らしいコンビネーションでした」「○○選手の突破力はすごいですね」「電光石火の攻撃」
もちろん、目の前の攻撃がうまくいったことを「褒めるな!」と言っているのではありません。ゴールは何がきっかけで生まれたものなのかを語るのは当たり前です。ただ相手が守備をほぼ狙い通り貫徹しながらも、攻める側がそれをすべて上回り得点に結びつけたのか。あるいは、ゴールを守ろうとしているチームが基本的な戦術ミスをしたがために起こったものなのか。そういう守備の観点からの考察も、同時に重要だと知ってほしいのです。
そもそもサッカーは『攻撃』と『守備』とを明確に分けて考えられません。ボールを持っているときにも、奪われたときを想定としたポジショニングについて頭を働かせておかなければなりませんし、相手のボールを追っているときも、どこで奪うことができそうで、奪い取った場合、どう攻めに転じることができそうなのかと策を練っておく必要があります。
そのため、トップレベルでは攻撃の過程でボールを失うことも想定に入れた戦い方が準備されているのです。だからこそ、相手がパスを狙っているにもかかわらず、曖昧な判断で当てずっぽうにパスを出し、ボールを失ってカウンターという図式は絶対に許されないものだといえるでしょう。
昨今は、育成年代でもそのメカニズムをしっかり考慮し、順序立てたトレーニングを積むことが求めらています。
まず小学1〜2年生までは大まかな形で 『やると、ピンチになってしまうプレー』と『できると、チャンスになるプレー』を覚えます。そこから守備戦術として『できないと、ピンチになってしまうプレー』、攻撃戦術として『できないと、チャンスにならないプレー』という観点で少しずつ引き出しを増やします。それらを、徐々につなぎ合わせていくことが大切なのです。
カテゴリ別新着記事
ニュース
-
東北トレセン女子U-14が開催!2025.10.24
-
東北トレセンU-14が開催!2025.10.23
-
【JFAエリートプログラムU-14日韓交流戦】参加メンバー発表!2025.10.22
-
U-15日本代表、フランス遠征参加メンバー発表!【バル・ド・マルヌトーナメント2025】2025.10.21
フットボール最新ニュース
-
鈴木唯人が貴重な先制点でチームを勝利に導く【23日結果まとめ/欧州EL】2024.05.21
-
日本人対決でリバプールが5Gで圧勝【22日結果まとめ/欧州CL】2024.05.21
-
バルセロナが6発大勝。エースもゴール【21日結果まとめ/欧州CL】2024.05.21
-
日本人選手所属ザルツブルクは後半AT弾で敗戦【25日結果まとめ/欧州EL】2024.05.21
-
ベティス、マンUから完全移籍の7番が劇的同点弾【24日結果まとめ/欧州EL】2024.05.21
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- “早熟タイプ”か“晩熟タイプ”か。成長のピークはいつ訪れる? 子どものタイプを知ろう!!
- 町クラブから選抜された選手たちがスペインで武者修行!バレンシアやビジャレアルなどと対戦
- 4種(小学生年代)を支える町クラブの存在意義とは? サッカーが日本の文化となるために改めて考えなおしたいこと
- かつて“怪物”と呼ばれた少年。耳を傾けたい先人の言葉
- なでしこW杯連覇への“切り札”。岩渕真奈選手が語るドリブルの極意
- 【第39回全日本少年サッカー大会】長崎県大会 決勝フォトレポート&大会結果「V・ファーレン長崎が創設5年目で初の全国大会出場を果たす!!」
- 「目指すサッカー」がない指導者が明確な言葉を子どもに伝えられると思いますか?【10月・11月特集】
- U-15日本代表、フランス遠征参加メンバー発表!【バル・ド・マルヌトーナメント2025】
- 【第94回全国高校サッカー選手権大会】高校サッカー選手のジュニア時代 北海道・東北
- 【JFAエリートプログラムU-14日韓交流戦】参加メンバー発表!














