ジュニア年代は”筋トレ”を制限すべき。「柔軟性のない体に筋力をつけても壊れるだけ」

2018年09月08日

フィジカル

元ファジアーノ岡山のトレーナーで、現在はフリーのパーソナルトレーナーとして活動する樋口敦氏。高校生や大学生、プロ1~3年目といった若い選手の体を見続けているヒグアツさんが強く訴えるのは、身体の可動域を広げて柔軟な動きを身につけること。なぜそれが必要なのか、どうすれば身につけられるのか、詳しく伺いました。

取材・文●中村僚 写真●ジュニサカ編集部、佐藤博之

ジュニアサッカーを応援しよう! VOL.50』より一部転載


p120-01
【フリーのパーソナルトレーナーとして活動する樋口敦氏】

なぜ人間の動きにおいて脊柱と股関節が重要なのか

 もっともわかりやすい例えが弓矢です。しなりが大きければ大きいほど、弓は強く速く飛んでいきます。この「しなり」を生んでいるのが、人間の体でいうと脊柱のやわらかさで、弓を引く力が筋力なんです。これはどちらかが 欠けていてもダメで、矢を引く力がいくら強くても、しなるやわらかさがなければ弓は壊れてしまいます。

 弓にやわらかさがあっても、引く力が弱ければ強いパワーは生み出せません。同じように、人間の体も表面的な筋力だけではなく、脊柱をやわらかくしならせる必要があります。動きの見本としては、チーターや魚の動きがわかりやすいです。

 体全体をクネクネさせながら動いていますが、頭はほとんど動かしていません。チーターは足が細いのにとても速く動けますよね。あれは体のしなりをうまくパワーに変換しているからです。

 また、弓矢を引く筋力は、やみくもに腕立て伏せや腹筋運動で鍛えればいいわけではありません。柔軟性を生み出すのは、体を伸ばすときに使う筋肉で、「伸筋」と呼ばれる筋肉群です。主に体の背中側に付いている筋肉で、僧帽筋や広背筋、ハムストリングスの筋肉群などがこれにあたります。僕のトレーニングでは、伸筋が前後左右に動き、さらに回旋までできるようにケアをします。
 
 以前のトレーニングでは、ダンベルや腹筋などが主流でした。これらのメニューで鍛えられるのは体の前側についている筋肉で、「屈筋」と呼ばれる筋肉です。筋肥大をしやすいので見た目にも筋肉がついたことがわかりやすく、成果が出ていると錯覚してしまうのでしょう。

 しかし、自分も含め、そういったトレーニングをしても怪我が増えるだけで、実際のところはあまり強化につながりませんでした。柔軟性のない体に筋力をつけても壊れるだけだったのです。

 また、大胸筋などはあまりつけすぎると、伸筋の動きを制限してしまいます。サッカーにおいては適度な筋肉量に留めておかないと、邪魔な筋肉になってしまうのです。
 
 もちろん屈筋のトレーニングがまったく必要がないとは言いません。サッカーにおいては競り合いで体の衝突もあるので、それに耐える体幹や筋力も必要で、それは屈筋群にあたります。 しかし、その前段階として脊柱のやわらかさと伸筋の強さが必要なのです。
 
 もうひとつは股関節の可動域です。脊柱と伸筋で生み出したパワーを、付け根から大きく動かして足に伝えていきます。股関節の動きには、前に折れ曲がる屈曲、後ろに伸ばす伸展、外に開く外転、内にたたむ内転、外側に回す外旋、内側に回す内旋、という6方向の動きがあります。これらの動きが大きくなることで、足をどの方向にも自由に動かすことができ、大きな動きができるようになるんです。

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