今、ジュニア年代で何が起きているのか? 現場指導者が語る”スケジュール問題”/指導者座談会1【9月特集】
2018年09月19日
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「チーム内で紅白戦をやった方がすごく効率的」
末本「それはすごい結果ですし、取り組み自体もすばらしいです」
南里「うちは普段の練習から強度の高いトレーニングを意識しています。具体的には、75分しか練習しません。その時間の中に、どれだけの集中力と強度を持って練習に取り組むかに力を注いでいます。子どもたちは10日間から2週間ほど休んだので、しっかりとエネルギーを蓄えて戻ってきました。オフ中に栄養を体内に貯めてきたので、その後の練習は非常に質が高いものになりました。残念ながら休み明けのリーグ初戦は負けてしまいましたが、最近のうちの取り組みとしては『一試合におけるプレーの強度』、『一試合におけるパワーの出力』をテーマに掲げていて、そこに対しては満足できる結果でした。
でも、ジュニアは1日平均2試合以上のスケジュールがまだまだ当たり前です。私は後期リーグ戦の前にも関わらず、試合設定という面で大きなスケジュールミスをしてしまいました。それが負けた要因です。招待試合なども多く、断りきれないこともあって後期リーグの直前に招待試合を組み入れてしまいました。『付き合いもあるから』と思って入れたのですが、やはり二日目の後期リーグに結果として疲労が出てしまいました。完全に私のミスだったので、子どもたちに謝罪しました。
どこにターゲットを絞っていくのか。それを指導者がしっかり選定してスケジューリングしないと、例えば2日で4試合すべてに強度の高い戦いを求めてもそれは無理があります。でも、4種の試合では、多くの指導者たちが3試合目、4試合目なのに『気合いが足らない』と言っているような現実があるわけです。敗戦そのものは私のミスでしたが、子どもたちが見せた試合の強度、プレーの質は非常に高かった。そういう意味では、今年の夏のオフの経験は学ぶものが多かったです。
東京でクラブを運営している時はグラウンドがなかなか取れなかったので、どうしても週末は量の育成をしていました。現在は考え方を180度変えて取り組む中で感じることは、今のやり方が良いのではないかということです。子どもたちがしっかりエネルギーを蓄えて1試合に力を注ぎ込む。彼らの未来に向けては、非常に良い取り組みができたのではないかと考えています。だからこそ今回のインボディのデータは説得力のある材料になったと、クラブとしても自負しています。今後も続けて検証していきたいと思っています」
高橋「小嶋さんのクラブではいかがですか?」
小嶋「うちはTリーグに所属しているので、夏休みは基本的に公式戦がありません。5年生の10月にある東京都大会の予選も5月には終わってしまっているので、このカテゴリーも公式戦の予定が入りません」
末本「5月に終わるんですか?」
小嶋「それは区の事情によってグラウンドの問題があるんです」
南里「地域によって予選のスケジュールが違うんですよね、東京は」
小嶋「5月くらいから6年生のリーグ戦以外はほとんど試合がないので、うちは夏休みの間は何も予定がない状態です。私はもともと質より量というタイプの人間で、練習しないと不安に思う性格なんです。負けた時に『これができてなかった』というのが嫌なんです。でも、今年は実験的に活動量を減らしてみました。理由は、私は自分で試して判断したかったので、今年は平日の練習は通常通りですが、長期休暇中の平日の試合は極力カットしました。ただ、今夏はあまりにも暑くてうちの選手でも体力的に厳しいところがあり、対戦相手もお互いに疲弊した状態で試合を戦っているので、まだ自分なりには計りかねている部分があるのが正直なところです。しかも、力も同じくらいでなければならないですし。
でも、そういうことを考えたらチーム内で紅白戦をやった方がすごく効率的だなと、ふと気づきました。短い時間でほとんど平日の試合を組まずに練習ばかり行なってみました。末本さんと同じでほとんど試合を組まなかったので、今週末からリーグ戦がスタートするんですけど、ちょっと不安な部分もあります。ただ体調不良を訴える子も少なかったですし、体力的なものを考えるとプラスに働いていることが多かったのではないかと感じています。これからどううまくつなげていこうかな、と。ただ子どもたちからは旅行に出かけたとかという話がちょこちょこあったので、そういう意味ではよかったのかなと思っています。今年得た経験は来年以降につなげていきたいなと考えています」
【第2回】なぜ4種の選手は「多忙」なのか…。少年サッカー界が抱える”トレセン”の深刻な問題
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