「朝昼晩、どこかのタイミングで家族と一緒に食べる機会は作ってほしい」。子どもの”食育”を考える
2018年10月02日
コラム旬の食材を活用した体づくり
川上「春や秋はデトックス(※体内に溜まった毒物を排出させる)の時期です。例えば、春は山菜などの苦いものが旬の食材としてスーパーに並んでいると思います。逆に、秋は冬の準備期間だから免疫力を高める効果のある食材が旬のものとして並んでいます。免疫力を高めるためには、腸内環境を整えることが大切なことです。繊維質が多いた食べものですね。サトイモとか、あとはサンマなどの青魚が旬の食材です」
――旬のものは意味があるわけですね。デトックスとか考えたこともありません。夏場の暑い時期には、体内に老廃物が溜まっているのですか?
川上「夏場で体内もバタバタと忙しく働いています。すると、イメージとしては老廃物も舞っている状況ですが、涼しくなると体内で落ち着いてくるので沈殿してくるというか。でも、体内には残っています。体の回復力を高め、さらに免疫力をアップさせるのには体内の老廃物を体外へと出さなければいけません。例えば、栗やサツマイモ等の旬の食材がそういう役割を果たしてくれます」
――それによって冬に向けての準備をする、と。
川上「冬に入ると、栄養を保つことへと目的が切り替わります。デトックスしにくくなる時期ですし、そういう食材も役割を終えてスーパーから減っていきますから」
――なるほど。だから、体内に溜めた老廃物を出す作業は必要なんですね。
川上「貯める体づくりというイメージです。冬はカロリーが高い食べものが多いんです。サツマイモやカボチャやサトイモ等…」
――この時期はデトックスと貯めることと両方を兼ねている食べものが多いわけですね。
川上「根菜類が増えますが、体の中に栄養を保存しやすい食べものも増えてきます」
――この時期から大根とかが並びます。
川上「水分もありますし、大根には消化酵素も含まれています」
――青魚も旬ですが、体にどんな効果があるのですか?
川上「DHAやEPAが含まれていて、体の流れをよくする効果があります」
――だから、デトックスもできる、と。ちなみに、子どもは体を作っていく大事な成長期なので、すべての栄養を摂ることが大事です。時間も無くなってきたので、五大栄養素の役割(添付写真)を確認させてください。
川上「タンパク質は体、骨、血液を作るものです。だから、車に例えました。そうすると、炭水化物と脂質がガソリンの役割です。ただ、それだけだとエンジンが円滑に機能しないからオイルの役目を果たすのがビタミン類とミネラルです。
P=プロテイン=タンパク質
C=カーボン=炭水化物
F=ファット=脂質
V=ビタミン
M=ミネラル
それぞれの頭文字を書いています。デトックス効果のある食べものは、具体的にわかりやすく説明すると、香りのあるものや苦みがあるものを摂るといいです」
――ありがとうございます。
川上「余談ですが、農薬を使っていない野菜を料理に使用する時は、普段捨てるような部分も全て残しておいて全部鍋の中に投入し、水と塩を少々加えて煮込んで『ベジブロス』(ベジタブル=野菜+ブロス=出汁)というダシを作ります。そうやって煮出したダシはデトックス効果があるんです。それを調理する時に加えたりしています。タマネギの皮なども全部入れて煮出します。味噌汁に入れたりもしています。
昔から言われている旬の食材には体に必要な何かがあるから、自然の成り立ちで人が食べてきているのだと思います。だからこそ食卓には自然にそういうものが並んできました。私も田舎育ちなので、そういうものがたくさん食事に入っていました。今の時代はそういうことが忘れられているから、私自身も管理栄養士として旬を大事にしていきたい思いがあります」
――最後に、子どもたちに伝えたいことをお願いします。
川上「体は食べもので作られていること。食事そのものに対して、作っている方に対しての感謝の気持ち。そして、食事を楽しむことです」
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