「朝昼晩、どこかのタイミングで家族と一緒に食べる機会は作ってほしい」。子どもの”食育”を考える

2018年10月02日

コラム
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共働き家庭が多い現代、家族で一緒に食事をする機会が減ってきています。「朝昼晩、どこかのタイミングで家族と一緒に食べる機会は作ってほしい」。そう語るのは管理栄養士の川上えり先生。子どもの”食育”とは何か。前回(管理栄養士が語る「食事の基本」。カラダづくりに必要な”6つの色”の栄養素とは)に引き続き川上先生の言葉に耳を傾けていく。

取材・文●木之下潤 写真●ジュニサカ編集部、佐藤博之


食生活の偏りは改善できる

――具体的に、ジュニアの選手の食事指導はどうされているのですか?

川上「絵で伝えるなど、私は視覚的に子どもでも理解できるような工夫をしています。例えば、講習会ではスクリーンで説明することが多いので、インターネットで給食の写真を出して話をしたりしています。『これは何にいいんだろう?』と質問しながら、いろんな食べものには役割があることを見た目にわかるように伝えています。最初にそう言ったレクチャーをして、次に実際にブッフェ形式で一人ひとりに選んでもらうようにしています。紙ベースでご飯、味噌汁、サラダ、魚の煮物、バナナなどと手書きの絵で描いた品物をたくさん用意しておき、子どもたちに自分の食事を組み立ててもらいます。グループワークとして班ごとに意見交換をしてもらったりしています」

――いい食育ですね。

川上「子どもは特にアイキャッチが大切かな、と」

――自分たちのトレイにのせていくわけですね。

川上「はい。楽しみながら学べるので、子どもたちも笑顔でのせています」

――子どもたちのトレイには、どんなものがどんな感じで置かれるんですか?

川上「ドーンと、一品だけという子も多いです。パスタとか、ハンバーグとか一品だけをトレイにのせている子はたくさんいます。あと、魚やサラダを選んでのせている子は少ないです」

――私たちの時代だと食卓がそうだったこともありますが、ご飯、味噌汁、野菜もの、煮魚といったものが基本的な食事でした。でも、違うんですね。野菜や魚は食べないのかな?

川上「極端な食事内容になる子も見かけます。あとは量が多い子と少ない子にわかれます。多い子はきちんと一回の食事に必要な量を選びますが、少ない子は全く足りていません。『ご飯だけ食べられる』とか言いますからね。そういう子どものお母さんは悩まれています。やはり手間暇はかかりますが、食事を一緒に作るというのが一番の解消法だと思います。作るとまではいかなくても、取るとか切るとか『一緒に作った』と思えるようなことをすることが大切です」

――そういうことで随分違うわけですね。

川上「『食べられた』という一つの成功体験を作ること。自分が食事づくりに関わっていれば『食べたい』意欲が自然に湧いてきますから。一回の食事の構成をのぞくと、家庭環境も見えてくるものがあります」

――よく外食が多いと茶色の食事に偏る傾向があると言いますが、そういう食のワークショップを行っている川上先生の実感値としてはどうですか?

川上「子どもはもちろんいますが、トップアスリートでもたくさんいます。自分で気づいていません。『茶色が多いね』と声をかけると『あっ、本当だ。気づかなかった』というアスリートは多いです。やはり色とりどりの食事をするのはポイントなんです」

――例えば、ジュニアチームにブッフェに行ってもらって、川上先生と観察してみるのもおもしろいですね。そのあとに食事指導をしてもらえる特典付きのイベントを開催しましょう(笑)。

川上「おもしろいですね。どんな食べものを、どのようにトレイにのせてくるのか、楽しみです」

――足らないものが一目でわかりますよね。ジュニサカのイベントで開きましょう(笑)。ジュニアの選手の基本的な食事も冒頭に教えてもらったものと同じですか?

川上「あれがベースになります」

――主婦目線でいうと、お母さん方は忙しいので細かく考えていられないと思うんです。そうすると、一回の食事に全ての色が入っていればいいということで作ってもらったらいいですか?

川上「ええ。単純にそういうことでいいと思います」

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【管理栄養士の川上えり先生】

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