「何を?」「どのように?」「どこで?」「いつ?」プレーするのかが戦術だ【10月・11月特集】

2018年11月02日

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「4ゴールゲーム」は団子サッカー解消につながる

高橋「一つ思いついたのは、外にいる段階から事前準備を行うことです」

木之下「私はパスという選択だけではなく、ドリブルでもリスタートしていいという設定にすることです。なぜなら足下にボールがある状態を作っておくと、自分たちに有利な状況に作れるからです。浮いたボールを戦い合う状況は、ボールを持っている側にメリットがありません」

倉本「もっと簡単に考えるとどうですか?数字の問題です。リスタートって必ず一人が外に出ます。ということは、ピッチ内にいる選手はどういう状況になりますか?」

木之下「なるほど、数的不利な状況だということですね」

高橋「3対3であれば、2対3という状況になります」

倉本「2対3でマークされている状況でボールを受ける事は、実はすごく大変なことです。だから4ゴールゲームではキックインとドリブルインがOKになっています。スローインも同じ状況です。その状況を分かった上で練習をしていますか?大体一試合で20〜30回くらいのスローインが行われます。サッカーのプレーにはそういった理由が明確にあるし、理由そのものは難しくありません。しかし、大部分の指導者は難しく考えすぎているし、思考が凝り固まっています」

中澤「相手が気づいていなくてもリスタートしていいんですか?」

倉本「もちろんです。4ゴールゲームはいろんなアレンジができます。人数が一人余っているのであれば、フリーマンをつけていいでしょう。すると、フリーマンは勝手にバックステップを踏んだりしてスペースを生み出したりします。このシーンの映像は3年生ですが、何も教えていなくてもそういうプレーが自然に出ています。コーチングはあまり必要ないんです。

 たまに『ドリブルばかりする選手がいて困っています』と相談を受けますが、ゲームの時間を10分にすると、そういう選手は自然にボールを離すようになります。なぜなら10分間ドリブルだけをする体力がないからです。

 5分くらいすると、きついからパスをするようになります。何よりそういう選手に対しては周囲の選手が『お前、何で突っ込んでんだよ』と文句を言い始めます。そうすると、ドリブルしている選手は周囲を確認し始めます。

 サッカーは3つあるラインをどうブレイクするかが重要です。

 ファーストディフェンダーとなるフォワードのライン、ミッドフィルダーのラインとディフェンスのラインです。そもそも一本目のラインをどうブレイクするのかという方法を知らなかったら2本目、3本目のラインをブレイクすることはできません。

 だから、技術のままならない低学年の選手にとって1対1はすごく難しいトレーニングなんです。逃げる場所がなく、ずっと自分に対してディフェンダーがついている状態だから。最初は2対1の状況から始めた方が攻める側にとっては選択肢を持ちながらプレーできます。

 そして、二人組の関係で相手を攻略する方法は6つしかありません。それ以外には方法がないんです。『自由な発想でプレーしろ』と言っている指導者が多いですが、答えは6つの方法の組み合わせでしか存在しないのです。だから、そういう指導者ほどサッカーを具体的に教えられない人なのです」

木之下「具体的には?」

倉本「一つ目はドリブルからのワンツーです。二つ目は走る、下がる、戻ってワンツー。要するに、ズレを生んでのワンツーです。三つ目はディフェンスの間を走る、そしてパスを出せる状態ならそこに出す。四つ目は走る、マークが付いていく、空いた方にドリブルをすること。五つ目はスペースに出す、ボールを受ける、その間にボールホルダーの後ろを回って2対1を作って突破を仕掛けます。六つ目はドリブルで二人の間を仕掛けていき、ディフェンスが寄せてきたらスルーパスを出すことです。

 この6つで重要なことは、コンビネーションを強化して行く中でパスの出し手と受け手の特徴を互いに知っていればいいことです。つまり、走るのが得意なのか、それとも速くはないけどパスを出すのが得意なのか。自分が出し手なのか、受け手なのかをきちんと考えることができれば2対1という攻撃の最小単位でうまく突破することが可能です。特徴的に、出し手と受け手が逆になると、お互いに難しいわけです。まずはそれを知っておけば、あとはそれぞれの特徴によってプレーすれば再現性は高くなります」

木之下「日本では、『サッカーのプレーに正解はない』というような言われ方をしますが、正解はありますよね」

倉本「これがサッカーの基本的な原則です。サッカーの歴史を100年以上も積み重ねたヨーロッパの人たちは長年ああだこうだと言ってきて今があるわけです。でも、日本人はそれらを0(ゼロ)から生み出そうとしているからややこしい。ただ、彼らが発見してきたことを上手に活用すればいいのに。例えば、『38×57=』と聞かれたら筆算すると思います。それは計算の仕組みを知っているから筆算を活用しているわけですが、日本人のサッカー関係者は筆算から必死に生み出そうとしています。『いや、習いましょうよ』という話です」

木之下「日本人ってアレンジが得意だから、言葉は悪いですが、ヨーロッパからうまくパクればいいだけのことですよね」

倉本「そうなんです。元々サッカーは日本で生まれたスポーツではありません。ヨーロッパの基準でルールが作られているので、ヨーロッパの解釈でいろんなことが設定されていきます。単純に、その中で日本の色を出せばいいだけだと思うのです。合わせなければいけない部分もありますが、それはヨーロッパで先に研究されているからそこを学べば早い。私は自分が開催するセミナーで様々な指導者にそういう話をしています」

木之下「サッカーってどういうスポーツ?どうやって教える?PDCAサイクルのように一つひとつ詰めていくと、こんなにシンプルになるんですね」

倉本「そういったサッカーに対する考え方を学ぶからトレーニングメニューも作れるわけです。そして、そういう考え方を知らないから、日本人指導者は単に練習メニューを欲しがるわけです。丸々、練習メニューをコピーしても扱う選手もチーム状況も違うのに、コピーした先と全く同じようなことにはありません。それなのに『このトレーニングはダメだ』という指導者が数多くいます。

 すると、何が起こるかといえば、選手の責任にするわけです。『このトレーニングができないお前らのレベルが低いからだ』と。私からすると『いやいや、その裏にある意図、このトレーニングをすることで子どもに何を学ばせたいのかを考えていますか?そこが重要だよ』と口を挟みたい状況がたくさん起こっています。

 そもそも初心者コーチやお父さんコーチに『普段からサッカーのことを考えているか?』と要求しても無理な話です。なぜなら他に仕事をしているわけですから。だから、私は4ゴールゲームを広めたかったという思いがあります。指導者が時間などを調整してくれたらあとは選手たちをプレーさせておくことがベースにあるからです。サッカーのことを難しく考えなくても、4ゴールゲームを与えたら子どもたちにあれこれ言わずともいい方法なのです。

 どうやって団子サッカーを解消したらいいのかがわからい指導者は、1回のトレーニングの最後30分これをすることを勧めています。その前には、ドリル練習でもいいですが、知覚と判断が刺激されるようなトレーニングを組み込んでもらえたら十分です。はっきりと言えるのは『技術が上がらないと顔が上がらない』は迷信だということです」

木之下「そう、思います」

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