原口家にあった「子育て方針」。“暴れん坊”な元気少年を支えた家族のサポート法とは

2019年01月24日

コラム

「いつもと違う母親の姿を見せることも時には効果的」

――原口君は忘れ物が多かったそうですね。

一さん「ジャージ、ストッキング、弁当箱に水筒と次から次まで忘れてくる子で、あるときは一番大事なボールも忘れてくることがあった(苦笑)。江南南の松本ヨウ佑先生【※編集部注:ヨウは巾へんに昜】は『忘れ物をするヤツの方がサッカーがうまい。それだけプレーに集中してるってことだから』と言っていましたけど。親としては何とかやめさせようと努力はしたんです。

 私は規律を守れない息子には厳しくすべきだと考えて、坊主にしたり、『試合に歩いて行け』と言ったり、いろんなことをやってみました。でも元気は『じゃあ歩いていくよ』と小学校低学年なのに5~6km先の試合会場まで歩いていこうとする。そういう負けん気の強さがあった。それはそれで前向きに捉えていましたね」

――そういう子を叱ったり、諭したりするのは大変なことですね。

玲子さん「学校の通信簿にも『暴れん坊』とか『すぐに手を出す』といったことをよく書かれるんで、お父さんとはどうすべきかよく話し合いました。お父さんは毎日のように元気に対して怒るんだけど、本人は全然納得してくれなかった。怒鳴られたり叩かれたりして、口では『ごめんなさい』とは言うんだけど、自分の部屋に戻るときに『クソ』とか言ってるのが聞こえてきて、『心底から反省してないな』と感じることはよくありました。

 そこで私までガミガミ言ったら余計に頭に血が上ると思ったので、少し時間が経って落ちついた後に呼んでなだめた後に『ダメなものはダメだよ』『悪いものは悪いんだよ』と諭すようにはしていました。

 それでも言うこと聞かないことはありましたね。栄養のことを考えて出した食事を『こんなの食べられない』『まずい』と言ったので、私が腹に据えかねてフライパンを持ち出したんです(苦笑)。

 もちろん叩きませんでしたが、そのときはさすがの元気もビックリして謝ってきました。いつもと違う母親の姿を見せることも時には効果的かなと思います。いずれにしても、気性の激しい子に対しては、両親がうまく連携して対応することが大事だと思います」

一さん「私はしょっちゅう怒っていましたが、その前に理由を聞くようにはしていました。元気が小学校の頃、休み時間に校庭の隅の山でみんなで虫取りをしていて、チャイムがなっても『行かなくていいよ』とそのまま続けたことがあったんです。先生は当然すっ飛んできて怒りますよね。そういう事情を聞いたうえで、『元気の方も悪いぞ』と言って聞かせる努力はしましたね」

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