カルシウムだけじゃない!? 骨の成長を助ける「9つの栄養素」とは

2019年01月29日

コラム
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骨の成長を助ける「9つの栄養素」とは

 骨を作る素材として必要な栄養素には、次のようなものがあります。

1.カルシウム
2.ビタミンK
3.マグネシウム
4.リン
5.ビタミンD
6.ビタミンE
7.コラーゲン
8.タンパク質
9.ビタミンC…etc

 骨粗鬆症の予防などで、よく「カルシウムを食べましょう」と言われますが、骨はカルシウムだけでできているわけではなく、これらの栄養が影響しあい、助け合って作られます。そこで、それぞれの栄養素の紹介をしていきます。

1.カルシウム

骨や歯を作る材料になります。建物でいえば、鉄筋のような役割です。筋肉を動かす時のスイッチになったり、血管壁を強くしたりする働きもあります。不足すると骨折しやすくなるだけでなく、虫歯になりやすかったり、足がつりやすくなったりします。

【カルシウムがたくさん含まれている食材】※赤字は旬の食材
牛乳/ヨーグルト/チーズ/小魚(ワカサギ/シシャモ/煮干しなど)/干しエビ/小松菜水菜/ゴマ/ヒジキ

2.ビタミンK

カルシウムが骨にくっついたり、溶け出すのを助ける働きがあります。いくらカルシウムを摂っても、ビタミンKが不足していると骨折しやすくなったり、虫歯になったりしやすくなりますから、カルシウムと一緒に摂りたい栄養です。また、ケガをしたりして血が出た時、ビタミンKが止血をする働きをするので「止血ビタミン」とも呼ばれます。

【ビタミンKがたくさん含まれている食材】※赤字は旬の食材
納豆/モロヘイヤ/明日葉/小松菜キャベツ菜の花ホウレン草/ワカメ

3.マグネシウム

カルシウムやリンと一緒に、骨や歯の材料となります。また、マグネシウムが不足すると筋肉痛が起こりやすくなります。

【マグネシウムがたくさん含まれている食材】※赤字は旬の食材
ナッツ類(アーモンド/カシューナッツ/アーモンドなど)/塩/春菊ホウレン草/ヒジキ/大豆/玄米

4.リン

マグネシウムと一緒にカルシウムを助ける働きをします。様々な食材に含まれているため、足りなくなることはあまりありませんが、「有機リン」と「無機リン」があり、無機リンはインスタント食品や清涼飲料水などにも使われています。この無機リンは腸管からの吸収率が高く、過剰摂取につながるため注意が必要です。

【リンがたくさん含まれている食材】※赤字は旬の食材
チーズ/牛・豚・鶏などのレバー/魚(金目鯛ワカサギなど)

5.ビタミンD

食材に含まれるカルシウムが骨や歯に届くように吸収を助けます。また、血液中のカルシウム量が少なくなると、骨や歯を溶かして、血液に届けることも。ビタミンDが不足すると骨が曲がってしまったり、骨粗鬆などになる可能性が高くなります。

【ビタミンDがたくさん含まれている食材】※赤字は旬の食材
キノコ類(キクラゲ/干しシイタケ/シメジエノキ茸舞茸など)/鮭/カレイ/サンマ/カツオ/丸干しイワシ/アンコウの肝/ウナギ

6.ビタミンE

骨を溶かしていく破骨細胞に働くと言われます。そのためサプリメントなどによる過剰摂取で骨粗鬆症への心配も報告されています。ただし、通常の食品からバランスよく摂取する分には、新陳代謝のサイクルに働くため骨を強くするために有効です。

【ビタミンEがたくさん含まれている食材】※赤字は旬の食材
ナッツ類(アーモンド/松の実など)/ヒマワリ油/紅花油/モロヘイヤ/カボチャ/ホウレン草/アボガド/タラコ/ウナギ

7.コラーゲン

タンパク質から作られます。カルシウムが建物の鉄骨だとすると、コラーゲンは鉄骨を埋めるコンクリートのような役割を果たします。また、骨と骨をつなぐクッションの役割を果たす軟骨の主成分もコラーゲンです。骨では常に新しいコラーゲンを合成しながら新陳代謝が行われています。

【コラーゲンがたくさん含まれている食材】※赤字は旬の食材
タラアンコウ金目鯛キンキ

8.タンパク質

骨や歯だけでなく、皮膚や髪の毛、血管、筋肉、内臓をはじめ、からだの調子を整えるホルモンなど、からだを作るための材料になります。しかし、摂り過ぎると腎臓などに負担がかかりますので、他の食材とのバランスを考えて摂取することが必要です。

【タンパク質がたくさん含まれている食材】※赤字は旬の食材
肉類/魚介類(タラアンコウ金目鯛キンキハマチ小肌サワラヒラメワカサギホタテなど)/大豆食品(大豆/豆腐/納豆など)/牛乳 チーズ ヨーグルト

9.ビタミンC

コラーゲンの材料となって、骨を生成するときの接着剤の働きをします。

【ビタミンCがたくさん含まれている食材】※赤字は旬の食材
ジャガイモ/緑黄色野菜(春菊セロリトマト/ピーマン/芽キャベツブロッコリー菜の花など)/果物(イチゴ/キウイフルーツ/シークワーサーレモンなど)

 ジュニサカ世代(成長期)は、最もカルシウムを蓄積できる時期でもあります。それというのも、食べものからのカルシウムの吸収率は年々下がっていくからです。

【食べ物からのカルシウムの吸収率】
乳幼児/75%
10〜19歳/40%
20〜39歳/30%
40〜59歳/20%
60歳〜/10%

 ジュニサカ世代のような成長期のうちに、たっぷりとカルシウムを蓄積しておくことが、20歳以降の骨の健康を左右するということを覚えておいてください。できるだけ日々の食卓にカルシウムの多い食材をのぼらせるようにしながら、バランスよく、様々な栄養を摂取するようにしましょう。


<プロフィール>
川上えり(管理栄養士)

海外プロサッカー選手の栄養アドバイスや、FCジュニオールの栄養アドバイザー。海外・国内遠征・合宿帯同や、アスリート向けレシピ制作、子育てママ向けのコラム執筆などで活動中。


 

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