「ダノンネーションズカップ」王者ヴァンフォーレ甲府U-12が披露した3つのプレー原則。垣間見えたトップからの逆算

2019年06月05日

育成/環境

3〜5月にかけては春休みとGWという大型連休があり、首都圏ではU12の全国大会やU14・16の国際大会が開催されていた。そこで、6月の特集は「U12・14・16の大会から見る育成の現在地」と題し、各年代で見られた日本チームのプレーや海外チームが実践していたプレーなど、試合の中で起こった現象をもとに話を展開していきたい。
 
【取材対象】
3月 U12ダノンネーションズカップ 
4月 U16キリンレモンカップ    
5月 U12チビリンピック      
5月 U14東京国際ユースサッカー大会
 
第一弾は、3月のダノンネーションズカップで優勝したヴァンフォーレ甲府U-12が披露していたプレーのひとつをキッカケに掘り下げていきたいと思う。なお、この企画は全国大会規模の試合で多く見受けられたプレーの傾向を前提にしていくが、地域の育成現場でも類似した現象はたくさん起こっていると感じている。そういう背景を考慮した上で、ぜひ参考のひとつにしてもらえたらありがたい。
   
【6月特集】U12・14・16の大会から見る育成の現在地

取材・文・写真●木之下潤


 
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ダノンを制した甲府U-12が見せたプレーとは?

 ジュニア年代で新年度の最初に行われる全国大会がU12「ダノンネーションズカップ」になる。この大会はFIFAに公認され、世界大会に通じているのが特徴だ。今大会は、全国4つの会場で予選会を勝ち抜いたチームと昨年度の本大会ベスト8まで勝ち進んだチームを中心に、全32チームで優勝が争われた。そして、今年度の大会を制したのはヴァンフォーレ甲府U-12だ。
 
 まず、甲府の優れたプレーをひとつ取り上げてみたい。
 
 彼らはジュニア年代で身につけるべき基本的なプレーをしっかりと体現できていた。味方がボールを持てば、一人ひとりがボール保持者から距離を取り、自らが選択肢となるために動く。ボール保持者からすると、必ず3つの選択肢があるような状況が作られている。これは昨今のサッカーメディアの流行りで例えると、プレーの原則ともいえる。
 
1.前線のディフェンスの背後に走り出す
2.ボール保持者から見やすい斜め前の位置に動く
3.1・2が難しかったときのために斜め後ろの位置に動く
 
 言葉で書くと簡単だが、これを実践するには日ごろから質の高いトレーニングが必要になる。甲府が何より素晴らしいのは、この現象を「選手たちが試合の中で継続性を持って意識的に起こすことができていた」こと。試合後半の体力が落ちてきた場面で常にこの状況を作り出すことが難しいのは、指導者なら誰もが理解できるはずだ。
 
 さらに甲府は、ボールサイドから遠い選手たちが「もしここにボールが来たら」「もしこの選手がこう動いたら」ということをイメージしながら、いつも次に「自分がどういうプレーをするのか」準備を行っていた。プレーに関わり合う人数が他のチームより多いのも特徴のひとつであり、それも違いを生み出す要因になっていた。
 
 アカデミーダイレクターを務め、今年から指導現場に復帰した西川陽介監督(※参考=2017年のインタビュー前編/後編)は、よく「感度」という言葉を使う。優勝セレモニー後に取材した際に、こんな話をしてくれた。
 
「彼らは育成年代の選手なので、まだまだ足らないことばかりです。でも、今年の選手たちは、オンザピッチでも、オフザピッチでも自分たちが“できていること”と“できていないこと”を謙虚に受け止められる。そういうことができるようになってきたのが、最近伸びてきた要因だと思っています。
 
 先週のチビリンピック予選でも選手たちは悔しい思いをしました。でも、何がダメだったのか、どうしたらできるようになるのかを少しずつ自分たちで考えられるようになってきました。その積み上げがこのダノンでいい結果につながったのかなと感じています」

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