「守備はつらくて、つまらないもの…」。ではない! 元Fリーガーが提唱する新たな守備の概念『枝D』とは

2019年07月20日

戦術/スキル

ジュニアサッカーに関わる指導者・保護者のためのWEB媒体『ジュニアサッカーを応援しよう!』は、7月22日(月)に内田淳二氏と共同で、守備をテーマにした講習会を開催する。日本最高峰のフットサルリーグ「Fリーグ」などで活躍してきた内田氏は、2014年に5種類の「型」を軸とした新たな守備の概念『枝D』を考案。現在も地域リーグでフットサルを続けながら、その画期的かつ理論的な守備概念をより多くのプレーヤーに届けるための活動を続けている。そもそも「えだディーって何?」「内田って誰?」という人のために、講習会の開催を前にインタビューを実施。『枝D』の基本的な考え方だけではなく、「フットボールにおける守備」の根底を見つめ直しながら、「ディフェンスが楽しくなったらフットボールは最高に面白い」という、本質的な話へと行き着いた。
 

取材・文●本田好伸 写真●ジュニサカ編集部


枝D 内田淳二
 
必殺技は不要
 
 内田氏自身、「守備が嫌いで、苦手だった」。しかし2014年、フットサルブラジル代表にも携わっていたバウミール氏の指導者講習会に参加した際の「フットサル=ディフェンス」という言葉が人生を変えた。その言葉がずっと引っかかり、そこからボールの跳ね返り方を研究、緻密な分析と自身の経験を照らし合わせながら、現在の理論を確立させていったのだ。
 
 あえて声を大にして言うが、「このインタビューを読むか読まないかで、今後のフットボールの楽しみ方が大きく変わる」と断言しよう。なぜなら、フットボールを攻撃と守備に大別したうちの一つである「守備」が、「嫌い」から「好き!」、もしくは「面白い!」へと変化してしまうからだ。
 
 そして、興味を抱いたらぜひ講習会へ。おそらく、守備に対する世界観が180度、変わるに違いない。
 
 

――『枝D』というネーミングからして謎めいていますよね。

 自分の体を木に見立てて、体重が乗っているほうの足を木の幹、もう一方のアタックに行く足を枝とイメージして『枝ディフェンス』と名付けました。

──どうして「枝」だったのでしょう?

 DFの際の形や自分の中でのイメージです。もともとコピーライターをしていたので言葉いじりが好きだったということもありますね。僕自身、守備は嫌いでしたし、苦手でした。でも、守備を見るようになってから(ボールの)跳ね返りや(相手にアプローチする)角度が分かって、ボールが残って、マイボールにできるということに気がついてからはすごく楽しくなったんです。そのときに、もし子どもたちがこのことを知らないままプレーを続けていたら、自分と同じようにDFが嫌いなままになってしまうだろうと。子どもたちに伝える際にイメージしやすいものは何かと考えた結果が、枝だったわけです。

──最初から、子どもや誰かに伝えることを前提としていた。

 それが一番にありました。個人的には「指導」という言葉が好きではなくて、「教える」わけではなくて「伝える」という意識です。コピーライター時代とリンクする部分なのですが、当時は、自分の意見を押しつけるようなタイプでした。でも、心理学であるとか、いろんなことを学ぶうちに、自分の考えがいかに小さいものかを知りました。キャッチコピーをつける際に、「通行人でもわかるコピーを書け」と言われていたことも重要な考え方でした。当時は、分厚い本を与えられて「この本がうちの会社にどのような利益を生むのか1行でまとめろ」と言われました。さらに、その理由をA4用紙1枚にまとめなくてはいけなくて。そういう作業をしていると、すごく上手な人とそうではない人の違いが鮮明になりましたし、余計なものを削ぎ落としていくという作業を意識し始めたんです。だから、子どもが一番わかりやすい形は何か、と考えていました。

──子どもをイメージした「必殺技」にはならなかったんですか?

 必殺技のようなキャッチーさは不要でした。ドリブルやシュート、派手なパス回しであれば食いつくと思いますが、そもそも守備は嫌いで、興味が薄いもの。そういう人にどうやったら興味を持ってもらえるかを考えたら、ちょっとした面白さが必要だなと。「型」の名称も、親しみが出る人名にしました。

──「中西」とかですね。

 お腹の中(内側)から行くから「中西」。相手の利き足から止めにいくディフェンスなのですが、その動きはお腹のほうに進んでいきます。仲間との会話で「利き足から行くやつ」というと面倒なので、短いワードで共有できたらいいなと。「中西」はすぐに浮かびましたね。

──「西」は?

 響きです(笑)。イントネーションですね。中といえば中西でしょって(笑)

──次が「縦山」。

 中西で利き足からアプローチした際に、相手が次に逃げるアクションを止めるのが「縦山」です。縦(方向)から行くと。「縦」と言ったら「山」だなと(笑)

──3つ目は「間(はざま)」です。

 股の間から相手の懐に入る方法ですが、文字どおり股の「間」。じゃあ「はざま」だなと(笑)

──いわゆる中、縦、間の3つの角度からのアクションですね。

 そうです。最初はその3つの動きを体系化して、クリニックを回っていました。そうしたら、足りない動きが出てきました。それが、“裏技”となった「裏中西」と「裏間」です。

──最初の3つに対応されてしまったから生まれたのですか?

 いえ、僕がその動きを認知していませんでした。それまでは3つで押さえられると思っていましたが、相手の動きをさらに注意深く分析していくと、逃げられてしまう動きが2つありました。そうして6つ目の存在を探したのですが、どうやっても見つかりません。つまり、5種類の「型」で十分という結論でした。

──6つ目は存在しない?

 守備とは逆側の立場になって攻撃を見ていくようになったのですが、自分の体の動きは、最終的にはどこかの型に戻ってきます。ループしている。最初は平面的に型を捉えていましたが、それぞれの型は円を描くようにつながっていました。ということで、理論上は5つの動きですべてをフォローできますね。

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