個の力・色が出せる選手を育てる。FC LAVIDA→昌平高校の場合【現代中学校・高校サッカー育成メソッド】

2021年12月06日

育成/環境
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本日発売 となった『フットボール批評 issue34』では、高校サッカーにおいて最近のトレンドにもなっている“中高6年計画”で結果を出し始めているチームの筆頭が昌平高校だ。そこで今回は、昌平高校の育成メソッドを一部抜粋して紹介する。

『フットボール批評 issue34』

文●河野正 写真●Getty Images


高校サッカー部の育成時代は『3→6』へ

 前回の全国高校選手権埼玉大会で 8年続けてベスト4以上に進んだが、これは全国高校選手権の出場校数が現行の48校に定着した第62回大会以降では、埼玉の新記録となる。インターハイには3度の出場で3位が2度あり、Jリーガーは目下10人を輩出するなど、驚きを提供してくれる昌平だが、最も仰天させられるのは、次々にニューカマーが台頭してくることだ。

 その中心となるのが、中学生年代のクラブチーム『FC LAVIDA』(ラヴィーダ)から加入してくる才気煥発な人材である。

 7人いるLAVIDAのコーチ陣は、全員が昌平高校のスタッフで、練習は週に3日、昌平の人工芝グラウンドで学年別に分かれて行われる。

 藤島監督はLAVIDAを創設した理由について「育成を考える上では長いスパンで成長を見たいので、3年間では足りません。高校に上がるとそれまでのサッカーとの違いにストレスを感じることもあるが、うちは指導者も選手もビジョンを共有しているので、6年間しっかり取り組める。地域のクラブが地域の優れた素材を育てることが、スタンダードになるのが理想だと思う。ラヴィーダが街クラブのモデルケースになっていけたらいいですね」と明確な趣旨を披露した。

 J2東京ヴェルディの支部、ヴェルディSS相模原などで指導していた村松監督は、「チーム内で個の力と色をしっかり出せる選手を育てたい。一番大切にしているのは選手の良さを消さず、長所をさらに伸ばすことです」と指導方針を説明し、「短期に実績を残せた理由? 指導陣が現状をきちんと共有し、改善点があれば思い切って改革するなど、探求心を持ってぶれずにやり続けた結果 だと思います」と述べた。


全文は『フットボール批評 issue34』からご覧ください。


【商品名】フットボール批評 issue34
【発行】株式会社カンゼン
【発売日】2021/12/06

【書籍紹介】
教養としての現代サッカー

時期を合わせるかの如く欧州帰りの選手から「日本と欧州のサッカーは別競技」なる発言が飛び出すようになった。立て続けの印象が強いのは欧州から日本に帰還する選手が増えた証拠であろう。彼らが言いたいのは、欧州のサッカーは善、日本のサッカーは悪ではなく、欧州のサッカーは現代、日本のサッカーは非現代というニュアンスに近いのではないだろうか。もちろん、「組織」などのレンジの広い構造面も含めて……。

好むと好まざるとにかかわらず、現代サッカーの教養を身に付けない限り、「別競技」から「一緒の競技」に再統合することは断じてない。幸いにも同業界には現代サッカーを言語化できる日本人は少ないながらも存在する。攻撃的か守備的か、ボール保持かボール非保持かのようなしみったれた議論には終止符を打ち、現代か非現代か、一緒の競技か別競技かのような雅量に富む議論をしようではないか。


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