川添孝一流コロナ禍における基礎技術向上メソッド。ストライカーに必要な”シュートの型”とは

2022年03月04日

戦術/スキル

コロナ禍になって2年が経過する。コロナ禍でチーム活動ができなくなった子どもたちを集めて人知れずプライベートレッスンを開催している川添孝一氏。今回はそんな川添氏が伝授するマル秘テクニックを、3月7日(月)に発売となる『フットボール批評 issue35』から一部抜粋して紹介する。

『フットボール批評 issue35』

文●清水英斗 写真●Getty Images


得点力アップのための川添流のマル秘テク

間合いやキックなど、基本的な技術も大切だが、やはり川添さんと言えばFWだ。得点力を高めるフィニッシュには独自のメソッドを持っている。

「シュートはまず浮かさないこと。ボールが少し上がったところ、GKの腕の高さくらいが一番止められやすいんです。腰から下へシュートが行けば、何かが起きます。僕は点取り屋だったけど、結局これが一番入りやすいですよ」

 シュートを中途半端に浮かさないためには、インサイドキックと同じく、自分の真下でボールを捉えることだ。

「インステップキックも、蹴り足が伸び切ってしまう子どもは多い。どうしても身体の前や横など離れたポイントでボールを捉え、遠心力を利かせて足を振り回そうとしがちですが、そうではなく自分の幅で、頭の下で蹴ります。軸足も軽く曲げて、遊びを残す。

 自分の幅ですべてコントロールするのは、シュートもパスも、ドリブルも全部一緒です。いつでも足で触れる範囲にボールを置く。その範囲をボールが出てしまったら、もう〝運ぶ〞とは言えません。速く行こうとすると、みんなドリブルができなくなります。プレーは自分の幅で行う。シュートを打つのも、その中で収めなければいけません。

 そうやってボールを真下で捉え、蹴る瞬間は 顎を引いて全体重を思いっ切りかけ、サイドネ ットの下側に入れるように狙います。顎を引い て上半身が被さっていれば、ボールが浮くわけ がないですからね。シュートコースは眉毛でゴ ールバーを、こめかみでゴールポストをイメージして打ちます。

 フリーのシュート練習でしっかりコントロールできず、枠を外してばかりのチームは負けることが多いですね。私が現役の頃は、試合前のシュート練習を見せて、対戦相手にプレッシャーをかけたものです」

 こうした基本的なシュートを磨きつつ、自分の得意な型を作るのが大切だと川添さんは言う。「どんな状況でも、ここにボールがあれば必ずコースに蹴ることができる。そういう型がストライカーには絶対に必要です。型はポジションごとに、DFならヘディングのクリアなど、それぞれあるはず。FWの場合は、斜め45度からピンポイントでサイドネットを貫くなど、徹底して自分の型を作ることが大切です」


全文は『フットボール批評 issue35』からご覧ください。


【商品名】フットボール批評 issue35
【発行】株式会社カンゼン
【発売日】2022/03/07
【書籍紹介】
特集 サッカー4局面の解剖学
「攻守の切り替え」は死語である

サッカーの局面は大まかにボール保持、ボール非保持、攻撃→守備、守備→攻撃の4つに分けられる、とされている。一方でビジネスの局面は商談、契約などには分けず、プロジェクトの一区切りを指す意味合いで使われることが多いという。しかし、考えてみれば、サッカーの試合は区切りにくいのに局面を分けようとしているのに対し、ビジネスの場面は区切れそうなのに局面を分けようとしていない。禅問答のようで非常にややこしい。

が、局面そのものを一区切りとするビジネスの割り切り方は本質を突いている。プロジェクト成功という目的さえあれば、やるべきことは様々な局面で自然と明確になるからだ。ならば、ビジネス以上にクリアな目的(ゴール)があるサッカーは本来、ビジネス以上の割り切り方ができる、はず。結局のところ、4局面を解剖する行為は、サッカーの目的(ゴール)を再確認するだけの行為なのかもしれない。


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