なでしこジャパン未来の星・猶本光選手に見る才能の育て方・伸ばし方

2014年09月30日

サッカーエンタメ最前線

来年、カナダで行われるワールドカップに向けて、現在アジア大会連覇に挑んでいるなでしこジャパン。今大会は多くの若手を積極的に起用しながら順調に勝ち進んでいます。なかでも、期待されているのがMF猶本光選手です。浦和レッズレディースでゲームメーカーとして活躍する彼女は、宮間あや選手や阪口夢穂選手ら偉大なる先輩からさまざまなものを吸収して実力を磨いています。そんな猶本光選手の武器とは何か? 彼女を育てた3人の指導者の言葉から個性の育て方・伸ばし方のヒントを探っていきます。

文●木之下潤 写真●Getty Images 写真協力●福岡J・アンクラス


なでしこジャパンの若手注目株として期待される

 9/14から韓国の仁川で開催されているアジア大会。大会連覇を目指している“なでしこジャパン”は若手中心のメンバーで順調に決勝まで勝ち抜いています。彼女たちは来年のワールドカップを控え、チーム内でも激しい競争を繰り広げています。

 なかでも、期待されているのがMF猶本光選手です。所属する浦和レッズレディース(以下、浦和)では、今季からレギュラーを奪取。リーグ3位(9/7現在)と好調をキープするチーム内で確固たる地位を築きつつ、ゲームメーカーとして攻守に光る活躍を見せています。

 その浦和でのプレーが評価され、今年は代表にも招集されています。でも、まだ出場機会に恵まれているわけではありません。佐々木則夫監督もアンダー世代から着実に経験を積んでいるこの若手有望株を高く評価しており、宮間あや選手や阪口夢穂選手らと一緒にプレーすることで大きな成長を促しているようです。

 猶本選手のプレーの特徴は“中盤でのボールの散らし”と“積極的な攻撃参加”です。今季はそれに磨きをかけ、なでしこリーグでも4得点をあげて結果を出しています。さらに進化を見せているのが守備面です。具体的には、“敵にボールを奪われた瞬間の判断の早さ”と“ボール奪取への仕掛け”が成長のポイントではないでしょうか。

 昨季、浦和でも控えに回ることが多かった同選手が今季はレギュラーを獲得し、代表でも徐々に出場機会を得ています。決してフィジカルが強いわけでも、スピードがあるわけでも、高さがあるわけでもない彼女が、ここまでの戦える秘密は何なのか。

 彼女の育成にたずさわった福岡J・アンクラスの河島美絵代表、福岡女学院サッカー部の鶴原一徳監督、元U-20日本女子代表・吉田弘監督という3人の指導者の言葉をつむぎながら個性の育み方・伸ばし方について探っていきたいと思います。

Japan v Ghana - Women's International Friendly

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