“チームの結果”と“個々の育成”を両立させるアルゼンチンの育成法。ジュニア世代から求められる専門性
2017年04月14日
コラム日本から見た南米のサッカーといえば、テクニックなどの技術力をイメージされる方が多いのではないでしょうか。確かに、ブラジル代表のネイマールやアルゼンチン代表のリオネル・メッシ(ともにバルセロナ)など南米出身の選手たちは、華麗なプレーで観客を魅了します。では実際のところ、南米の名門クラブではどのような選手育成を行っているのでしょうか。今回は育成型クラブとして定評があるアルゼンチンの名門CAラヌースで指導者として活動する飯沼直樹氏の言葉から、ジュニア世代から身につくておくべき個人戦術を学びます。
文●栗田シメイ 写真●Getty Images

“結果”を最重要視するアルゼンチンサッカー
飯沼氏が所属するラヌースは、ボカ・ジュニアーズ、リーベル・プレートといったアルゼンチンの5大クラブほどの知名度があるわけではない。しかし、育成に関して非常に定評があり、国内有数の育成型クラブとして認知されている。
ラモン・カブレロが監督に就任した2007年には、ユースからトップチームに続々と若手選手を引き上げ、前評判を覆しリーグ優勝を果たした。2010年以降は、国内リーグ2位2回、3位1回と安定した成績を残し、2013年にはコパ・スダメリカーナも制す。同年には南米チャンピオンとして、スルガ銀行杯で柏レイソルと対戦するなど、その育成力を強みに国内外から脚光を浴びている。
そんなラヌースで指導者となった飯沼が最初に気づいたのは、クラブのサッカーへの向き合い方が、ジュニア~トップまで一貫しているということだった。
「アルゼンチンサッカーでは、カテゴリー問わず、“勝利至上主義”という思考回路が浸透しています。ちょっとした練習試合、練習中のミニゲームでさえ、とにかく“負ける”ということを受け付けません。日本では、結果よりも内容を重視することもあるもしれませんが、アルゼンチンは真逆。
なので、極力リスクを避けるプレーを選択しますし、冒険しても大丈夫な局面や位置をしっかり教えます。根底にあるのは、負けないためにです。小さな頃から目の前の試合を全力で戦い勝ちを目指すこと。将来の夢ばかりではなく、目の前の試合に集中して、それを10年、15年と続けていくとことがプロサッカー選手への近道となる。ヨーロッパへの道が開ける。そんな風に、子どもたちも捉えていますね」
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