結果だけを追い求めているのは果たして選手なのか、指導者なのか、組織なのか?【5月特集】
2018年05月23日
コラム5月の特集テーマ「どうやって試合経験を生み出せばいいのか」を考えるにあたり、一度振り返りたいのが「プレイヤーズ・ファースト」という言葉である。ジュニアの指導現場を見ていると、言動と行動が一致していないブレた指導者がたくさん存在している。一体誰のための指導なのか、誰のためのサッカークラブなのか?それを掘り下げていくと現状の育成環境の問題点が見えてくる。
■第1回
出場機会をどう生み出すか。「3ピリオド制」のメリットとデメリット
■第2回
「どうやって試合経験を積むのか」。この問題は日本サッカー界全体で解決すべき課題である
取材・文●木之下潤 写真●ジュニサカ編集部、佐藤博之
日大アメフト部の反則行為問題はジュニアにとって他人事ではない
22日、日本大学アメリカンフットボール部の宮川泰介選手が記者会見を開いた。反則行為に至った一連の経緯を説明し、深々と謝罪した。彼の行為は決して許されるものではない。いくら監督やコーチからの指示があったとはいえ、人として誤った判断を下して関西学院大学の選手にケガを負わせてしまったのだから言い訳できない。しかし、この記者会見で自らの過ちを認めて謝罪した行動と言動は人として正解だった。
今回、問いたいのは「プレイヤーズ・ファーストとは何か?」である。この日大アメフト部の反則行為問題を、この視点から見ると、同部の内田正人前監督のとった行動と言動は完全に「部活・ファースト」、「監督・ファースト」と言える。
サッカーのジュニア現場でも、「プレイヤーズ・ファースト」を口では唱えながらも試合になるとクラブ・ファースト、監督・ファーストになる指導者は根強く存在する。だから、公式戦になるとレギュラーと控えという境界線が顔をのぞかせる。
チームが勝てばいい。
勝たなければ選手が集まらない。
優秀な選手を集めるには勝つのが手っ取り早い…etc
理由は様々あるだろうが、そもそも子どもたちがサッカー(スポーツ)をするのは何のためなのか? そう問われたら、みなさんは何と答えるだろう。今の日本社会を象徴する賢い(?)大人なら「一人ひとり目的が違うので一概には言えない」と答える人が多いかもしれない。確かにその通りだが、これがサッカー界(スポーツ界)全体を俯瞰した答えなのか、世間とは異なる意見を持っている人だと見られたくないから無難に合わせにいったのかで、その受け取り方は随分違う。
私は「育成年代の選手たちが自分の意見を言えない(言わない)」雰囲気を作り上げている日本サッカーの在り方について違和感を感じている。みなさんは、その理由を深く考えたことがあるだろうか。非常に難しい問題だが、その原因の一つとして「スポーツと学校教育との混同」が挙げられると考えている。
カテゴリ別新着記事
ニュース
- 【AFC U17女子アジアカップ インドネシア2024】U-17日本女子代表メンバー発表!2024.04.15
- 「JFAナショナルトレセンU-12関西」が開催!2024.04.11
- 「東北トレセンU-13」が開催!2024.04.10
- 【AFC U23アジアカップ カタール2024】U-23日本代表メンバー発表!2024.04.08
フットボール最新ニュース
- 近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.22
- 「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.22
- 【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.22
- リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.22
- 前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.22
大会情報
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 大阪大会】フォトギャラリー2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2024.03.09
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 愛知大会】フォトギャラリー2024.03.09
お知らせ
ADVERTORIAL
ジュニアサッカー大会『2024'DREAM CUPサマー大会in河口湖』参加チーム募集中!! |
人気記事ランキング
- 「2023ナショナルトレセンU-13(後期)」参加メンバー発表!【東日本】
- 支援希望は年間400人。直面する厳しい実態と現役Jリーガーが広げる支援「日本では馴染みがなく想像しづらい」
- アンリと同じく”神童”ではなかったハリー・ケイン。世界屈指のストライカーが持つ「努力する才能」
- 低学年と高学年の食事量の違いは?/小学校5・6年生向けの夕食レシピ例
- “早熟タイプ”はプライドの高さに注意? “晩熟タイプ”には他人との比較はNG!? 個々にフォーカスした指導を心がけよう!!
- 「JFAナショナルトレセンU-12関西」が開催!
- 人口450万人の小国・クロアチアから“天才”が輩出され続ける理由
- プロになることがゴールじゃないでしょ? 興國・内野智章監督のブレない理念
- 「2022ナショナルトレセンU-14 後期(中日本)」参加メンバー発表!
- フォームの意識だけではキックは改善しない。キックの名手たちの共通点とは【フィジカルのプレーモデル】