キッズ年代から取り入れたい! バランス感覚と判断力を伸ばす効果的トレーニング術【後編】

2014年01月16日

サッカー練習メニュー

前編に続き、バランス感覚と判断力を伸ばすトレーニングについて、学んでいきましょう。後編では、より具体的なトレーニング方法も紹介します。

文●後藤勝 イラスト●りおた 写真●編集部

※『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.27冬号』P049-054より転載

(前編はコチラから)


バランス感覚を磨くトレーニング法とは?

──具体的にはどういうトレーニングをしたらよいのでしょうか? 川村さんはどういう指導をなさっていますか?

ごく簡単なところでは、ひとりが歩いたり、四つんばいで前に進もうとしているときに、もうひとりのパートナーが力の限りしがみついて止める、というものがあります。このトレーニングはあまりスペースがないときにもできますし、力の入れ加減についての回路が通りますから、基本としておすすめできます。これは行為としては妨害なんですが、協力して行う動作に当たりますね。

もうひとつ、対峙する動作では、ふたりが向かい合う状態から始まるものが多いです。たとえばひとりが足を踏もうとしたら、相手は足を引っ込めて踏ませない。まあ、ほうっておいたら踏まれて痛いですから、自然と足を引っ込めるとは思いますが(笑)。これは役割というか攻守を固定化してもよいのですが、同時に攻めたり守ったりすると、駆け引きが生じておもしろいと思います。

──相手との関係で行うところがポイントなのでしょうか。

そうですね。というのも、いまの子は相手の都合を考えたり、相手にとってどうしたらよい結果になるかを想像して行動することができない子が多いです。

対面でパスをしているときに、相手の足元など、ボールをコントロールしやすいところに蹴ってあげられない。

逆に、相手の子のパスが逸れていったときに、その場からぴくりとも動かないことがあります。パスが逸れたら、ボールが転がっていくほうにからだを寄せればいいのは、当たり前ですよね。そういう調整をしようという考えや姿勢があまりありません。

──小野伸二選手のパスはふわりと受け手のもとにたどり着くので、エンジェルパスなどと言われていますが、そんな芸当はできないということでしょうか。

もちろん、そうすべきなんだよ、ということを教えればできるようになりますし、トレーニングをしていく必要があります。自分の速さと相手の速さ、角度、タイミングを計算して、ちょうどいいパスを出す想像力に欠けていたら、パスが成立しないわけですから。

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