イタリア流判断力トレーニング――攻守の「セオリー」を身につけることが判断力向上へつながる【後編】
2014年01月30日
サッカー練習メニュー“ハンドパス”を使ったトレーニングが効果的!
子どもたちは実戦でミスすることで、やるべきこと、やってはいけないことを理解するもの。日本では指導者が「どうして、○○しなかったんだ!」とガミガミと言う方をたまに見かけます。これは逆効果です。
怒られたくない子どもたちは、言われた通りにプレーしておこうという気持ちになり、判断をしない、できない選手になってしまうでしょう。それを避ける意味でも、ミスが敗退につながる一発勝負ではなく、ミスを反省して次の試合で活かすことができる、リーグ戦方式で公式戦経験を積むことが指導者にとっても、子どもたちにとっても大切なことだと思います。
最後に、イタリアは日本と比べて、「手で投げる」トレーニングが多い印象を持ちます。ハンドパスをつないで、シュートはヘディングやボレーキックでというもの。技術的に未熟な年齢では、手の方がミスは少ないということもありますが、トップレベルになってもハンドパスゲームは使われます。
日本では幼い頃からサッカーだけに専念してしまう子が多いですよね。手で投げるトレーニングを取り入れるのもいいことです。私が幼い頃はまだ多くの子どもたちが野球をしたので、ボールとの距離感、スピード、落下地点予測の感覚が自然と養われていたのだと思います。幼い頃に他のスポーツを経験するのも大事なことです。
自由を重んじ、個人主義的な面が目立つイタリア人も、いざサッカーとなると「規律」を守ります。これには、日本と大きなギャップを感じました。しかも彼らは規律を守りながらも自己主張をします。指導者をリスペクトしていても、子どもながらに自分の意見を伝えようとしてきます。指導者もこれをしっかりと聞きます。指導者には意見を言いたがる子ほどサッカーをよく知っている子だとわかっているからです。一方、日本の子どもは監督の話を聞いて「ハイ」と返事はするものの、試合でやるべきことができていない傾向が見られます。
そこに日本の育成年代の課題があるのではないでしょうか。
プロフィール
河村優(かわむら・すぐる)
1974年、広島県生まれ。広島観音高-神戸学院大卒。フレスカ神戸のコーチを経て、「日本が世界のトップ10入りするために何が必要なのか?」を自問自答し、指導者修行のためイタリアへ。ペルージャのA.P.D.モンテモルチーノのU-12、U-16監督、ユヴェントスサッカースクールU-17コーチを経験し、UEFA公認B級ライセンスを保有。帰国後はTASAKIペルーレFCのヘッドコーチを経て、姫路獨協大男子部コーチ、女子部監督や兵庫県国体選抜(成年女子)チーム監督を歴任。
カテゴリ別新着記事
ニュース
- 【AFC U17女子アジアカップ インドネシア2024】U-17日本女子代表メンバー発表!2024.04.15
- 「JFAナショナルトレセンU-12関西」が開催!2024.04.11
- 「東北トレセンU-13」が開催!2024.04.10
- 【AFC U23アジアカップ カタール2024】U-23日本代表メンバー発表!2024.04.08
フットボール最新ニュース
- 近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.22
- 「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.22
- 【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.22
- リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.22
- 前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.22
大会情報
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 大阪大会】フォトギャラリー2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2024.03.09
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 愛知大会】フォトギャラリー2024.03.09
お知らせ
ADVERTORIAL
ジュニアサッカー大会『2024'DREAM CUPサマー大会in河口湖』参加チーム募集中!! |
人気記事ランキング
- フォームの意識だけではキックは改善しない。キックの名手たちの共通点とは【フィジカルのプレーモデル】
- 「もも上げクランチ」でキック力を鍛える!/【サッカー専用】小学生のための体幹トレ
- 「2023ナショナルトレセンU-13(後期)」参加メンバー発表!【東日本】
- 自分よりも大きくて速い選手も1対1で抑える。内田篤人から学びたい守備時の姿勢【フィジカルのプレーモデル】
- 「論理と感覚を合わせたい」松井大輔はどんな指導者を目指すのか? 稀有なキャリアを歩んだドリブラー「人と違うものを提供」
- 「2023ナショナルトレセンU-13 関東」参加メンバー発表!
- 三笘薫のドリブル・カットインの秘訣に迫る。1対1で相手を抜き去るための“沈む動き”とは【フィジカルのプレーモデル】
- 4ゴールのゲームは守備の練習にはならない!? 課題となるタスクから逆算し正しく制約を課す【スモールサイドゲーム】
- “神童”と呼ばれたFC東京・品田愛斗「小学生のうちにやらないといけないことは人それぞれ」/ユースプレーヤー成長記
- FCバルセロナキャンプのコーチがチェックするMVP選考基準とは?