“あのゴール”から始まったバルサの伝説。イニエスタがスペインで愛される理由【後編】

2018年05月21日

サッカーエンタメ最前線

LONDON, ENGLAND - MAY 06:  Andres Iniesta (R) of Barcelona celebrates scoring in the final minutes during the UEFA Champions League Semi Final Second Leg match between Chelsea and Barcelona at Stamford Bridge on May 6, 2009 in London, England.  (Photo by Jamie McDonald/Getty Images)

イニエスタはスペイン代表・バルサにおける成功の主役

 確かにあのゴールからバルサの伝説は始まった。

 イニエスタのゴールなしには、3冠は成し得なかった。そして1年で6冠(同年、バルセロナは前述の3冠に加えて、欧州スーパーカップ、スペインスーパーカップ、クラブワールドカップも制覇)は達成できなかっただろう。あのゴールがなければ、グアルディオラ監督率いるバルサは前人未到の偉業を達成できず、物語はもう少し平凡になっていたはずだ。

 イニエスタは、スペイン代表、バルサにおける成功の主役だ。

「スペイン全国のファンから息子への愛を感じています。ワールドカップでゴールを決めた後、誰もが皆、私たちに息子さんを産んでくれてありがとう!と言ってくれたのです。信じられないでしょう?フエンテアルビージャでのフィーバーぶりは言うまでもありませんでしたよ」

 イニエスタはフエンテアルビージャの名をスペイン中に知らしめた。たくさんの人が、イニエスタの実家詣にこの地を訪れる。

「まるで巡礼の地になってしまったみたいです」

 でも“お参り”に来る人々は、両親が自宅のプールの底に、バルサのエンブレムを入れたことを知らない。「バルサへの感謝の気持ちでもあるんです。それにこうすれば、空からもバルサのエンブレムが見えるでしょう?」と、父は笑顔で話した。

【次ページ】バルサ愛と家族愛

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