チーム動画紹介第94回「JYFA(Japan Youth Football Academy)」
2013年06月14日
チームデータ今回は東京都世田谷区で活動するJYFA(Japan Youth Football Academy)の練習にお邪魔して、コーチングディレクターのピーター・キロフさんと、コーチの今井洋介さんにお話を伺いました。
文・写真●ジュニサカ編集部
アーセナルメソッドを実践するJYFA
–「JYFA(Japan Youth Football Academy)」ってどんなチームですか?
【今井】JYFAは、今年設立した新しい形のサッカースクールです。学校法人 国本学園のサポートのもとで運営されていて、国本小学校の教員もスタッフとして指導をサポートしています。また、企業の方々や他の学校からもご賛同・ご支援を頂きながら、サッカーを通じた子どもたちの健全な育成を目標に運営しています。
JYFAのコーチングディレクターは、アーセナルサッカースクールハワイのディレクターでもあるピーター・キロフです。UEFA’A’ライセンス、FAアカデミーライセンスといった欧州トップレベルの指導資格を所持したディレクターが、直接日々のトレーニングを行っています。
–アーセナルサッカースクールのピーターさんとは?
【今井】出会いは、2年前に国本小学校でサッカークリニックを開催した時でした。現役時代は、ブルガリアのスラヴィアFCというチームでミッドフィルダーとして活躍し、現在はハワイ・アーセナル・サッカースクールを主催すると同時に、国本小学校サッカー部でもコーチングディレクターとして指導に携わっていただいています。
–4月にトライアウトを行って現在のメンバーを選考されたようですが、選手選考でのポイントはどんなところでしたか?
【今井】JYFAでは、毎年4月と10月にトライアウトを行います。4月のトライアウトでは、50人弱の応募の中から、最終的に28人を選考しました。U10から12人、U12から16人といった内訳です。
選手選考は、ボールを止める、蹴る、運ぶといったサッカーの基礎となる技術がしっかりと身についているかどうかをポイントに選考しました。JYFAではパスを効果的に使いながらチームで戦略的に攻める(守る)サッカーを指導するため、基本技術を習得していることは絶対条件になるからです。しかし、本音を言えば、応募してくれた全員を受け入れてあげたかった気持ちもあります。でも、都内の世田谷区という土地柄もあり、全ての人数を基礎から教えるだけの広さの練習場と時間を確保することが、現実的に難しいといった事情もありました。
–英語を使った指導もされているようですね。
【今井】サッカーは世界の共通語です。サッカーを通じて世界の子どもたちと仲良くなってもらいたいというのも私たちの願いです。また、世界に羽ばたく選手に育って欲しい。ですから英語もトレーニング中に自然に使えるようになってほしいと思っています。
実はサッカーには和製英語も沢山あります。例えば、日本でいうインステップ、欧州ではレイシーズといいます。シューズの靴紐の部分という意味ですね。こんなところにもこだわって子どもたちを指導していきたいと思っています。
–今日のトレーニングのポイントをピーターさんにお伺いしたいと思います。
【ピーター】今日のトレーニングテーマは『パス』でしたので、パスに関係するトレーニングを行いました。はじめは2人1組になったウォーミングアップです。最初はその場に留まったまま足や胸などでボールをコントロールし、今度は動きながら同じことを行いました。
次に行ったトレーニング「アーセナルスクエア」では、数人で動きながらパスをつなぐ練習をしました。この練習で大事なことは、パスを上手に出すことよりも、自分がボールを持っていないときに、どのように動いたらうまくパスが受けられるかを子どもたちに考えさせることです。また、ボールを持っている選手は、常に視界に3人の味方が入るように動くことをコーチングしています。パスを出す技術にばかり注目されがちですが、パスを上手に受けることも立派な技術です。
そして8人対8人のミニゲームを行った後、最後はPK合戦を行いました。PKは、子どもたちは練習というよりもゲーム感覚でとても楽しそうでしたが、実はあれもパス練習の延長線上にあります。シュートだって、ボールを狙ったところに正確に蹴るという意味でで、パスと同じ論理ですからね。
–子どもたちを指導する上で気をつけていることは何ですか?
【ピーター】今日行った練習だけに限らず、JYFAで行うトレーニングには、すべて段階があります。はじめは初歩的なことから始めて、一歩ずつ着実にスキルアップしていくやり方です。例えば、今日ミニゲームを行ったときも、いきなり8人対8人のゲームは行いませんでした。最初は、8人の選手と8個のコーンを置いてゲームを行いました。つまり、最初はコーンを相手選手に見立てたわけです。なぜこのようなことをするかというと、子どもはプレッシャーを感じてしまうと、さっきまでやっていた練習を忘れてしまいがちです。それではミニゲームをやる意味がありません。コーンが相手なら子どももプレッシャーを感じずにプレーでき、余裕を持って練習したことを思い出しながらプレーできます。子どもは練習したことができるようになると、自分のプレーに自信をもつようになります。そのような心理状態になってから、8人対8人のゲームを行うのです。このようにすべてのトレーニングは段階を踏んで、一歩ずつレベルアップできるようにしています。
–ピーターさんは、日本のジュニアサッカーをどのように見ていますか?
【ピーター】ヨーロッパなどでは、ジュニア年代の大会があると、各クラブチームのアカデミーから評価審査員がきて審査を行っています。彼らは子どもたちを審査するだけでなく、そのチームの指導者がどのような指導を行っているのかまで審査します。一方、日本では大人が子どもを審査することはあっても、チームの指導方針まで審査することはあまりないように思います。
そのチームがどのような哲学を持って指導しているのか、その哲学がどの程度実践できているのか、ヨーロッパの育成年代の大会では、そういったところを重要視しているのです。それはつまり、試合の勝敗は二の次ともいえます。現に、バルセロナやアーセナルの下部組織もジュニア大会には出場しますが、毎回よい成績を収めているわけではありませんからね。もちろん大会で優勝することは素晴らしいことだと思います。しかし、私たち育成年代のコーチは、常に明確な指導哲学に基づいて、子どもの将来像をイメージしながら指導すべきだと思います。試合を行うことは、その指導目的を達成するための手段にすぎません。試合に勝つことや優勝することが指導の目的とはなりえないのです。
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