長友佑都・小川佳純も大学からプロへ! 明治大学サッカー部 神川監督に聞く、学生サッカーと文武両道【後編】

2013年11月07日

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日々の充実が最良の進路選択につながる

――改めて、大学サッカーの存在意義を教えてください。

 4年間の回り道のように見えるかもしれないけど、それを経験しないと深みのある人間は出てこないと思います。部内の雑務や、先輩後輩の上下関係……多少の不自由や不都合はあっても、そういう中で揉まれて、自分を磨いていくことも大事。

 さらに授業を受けることで、自分とは全く違う生き方をしてきた学生と出会うこともできます。そうした出会いを通じて、未知の世界に触れ、自分の立ち位置もわかると思うんですよね。サッカーを続けられていることが当たり前じゃない。大学でサッカーができることの貴重さを知る絶好の機会になるはずです。

――勉強との両立を含めて、子どもたちにアドバイスはありますか?

 自分が少しでもレベルアップしたいと思うなら、嫌なものから逃げないでほしい。そこを目指すなら、サッカーと勉強の両立はできて当たり前だと思います。それでも勉強ができないというのは、自分を甘やかしているだけにすぎません。

 私は世の中には、2種類の人間がいると思っています。税金を納めている人間と納めていない人間。納めていないのはおもに学生ですよね。

 つまり、将来、世の中の役に立つ人間になることを期待されて、生かされているわけですから、置かれた環境の中で全力を尽くすのは当然なことではないかと思うんです。学習する環境を与えてもらっているのですから。それができないと言うのなら「じゃあ、働きなさい」ってことです。

――最後に親御さんが、どうかかわっていくべきかを教えてください。

 まず、絶対に両立はできます。サッカーと勉強の切り替えをしっかりさせることが重要です。ピッチ内とピッチ外、そこで子どもたちに妥協を許さないでほしいですね。

 サッカーと日常生活はつながっています。疲れていても勉強に取り組む強さは、サッカーにも絶対に反映されますから。もし勉強を努力していないようだったら「それだとサッカーもダメになるんじゃない?」と言葉を掛けてほしいですね。

 ただ基本的には、サッカーにも勉強にも干渉せず、人生全体として充実しているかどうかを見てほしい。何かひとつのことだけに取り組むことが人生ではありません。すべてに対して、真摯に取り組んでいるか。「毎日が充実している?」という問いかけの方が僕は重要だと思います。

――それはサッカーを続ける、続けないにかかわらず、進路選択につながってきますね。

 日々の充実こそが人生の充実となります。毎日が充実していない子どもが進路選択をしようとしても自分のことが見えないんです。毎日を充実させている人は、次の進路選択がスムーズにいく。自分が精いっぱい生きているっていう実感をもつことが大事だと思いますね。


プロフィール
神川明彦(かみかわ・あきひこ)

神奈川県出身。明治大学サッカー部監督。小学2年生からサッカーを始め、鎌倉高校時代には国体で優勝を果たす。明治大学卒業後は大学職員の傍らサッカー部を指導。2004年、監督に就任。積極的な指導でチームを強化し、2009年には天皇杯でJ1のモンテディオ山形を破った。また51年ぶりに同部をインカレ優勝へと導くなど、手腕を大いに発揮している。

 


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