普段のトレーニングにフットサルを取り入れることは必要!? ジュニア年代の指導を考える【後編】

2013年12月03日

コラム

子どもたちとの時間をかけた付き合いは、サッカーの技術と共に心も育んでいく。小学校から中学校へと進学し、それまでは大人の言い成りだった子どもたちも、自分の意見を指導者に対して主張するようになってくる。

「自分の発言には責任が伴うものですから、子どもたちには責任感を持たせるためにも、指導者から『こういう風にしてみたらどうだろう?』と言われても『いいえ、僕はこんな感じにやりたいんです!』っていうディスカッションができるようになることが理想的です。このサッカークラブが、世代や立場を超えて討論をした結果、お互いの考えを認め合うこともできるような人間として成長していく場でもあってほしいのです。大人からしたら、経験やいろんなものから得た知識を子どもに植えつけたいと思うかもしれないけれど、子どもの人生経験は、まだまだ、これからなのだから、最初から『大人の意見を聴け!』と押しつけるのではなく『そんなことを考えていたのか、でも、こういうのもあるぞ』という提案をしてあげられたら良いんじゃないかと思います」と広山氏は締めくくった。

取材を終えてから、エスポルチ藤沢が活動拠点として使っているフットサルコートの隅に目をやると、そこには大量のカラーコーンが積み重ねられていた。練習時間には、これらを持ち出して起伏に富んだドリブルやリフティングのコースを作り上げるのだろう。あとは、特別なことはなにもない。チャレンジャースピリットを煽られた子どもたちは、いったいどんな技を使って挑むのだろうか。

そういえば、以前「2時間くらいドリブルの練習だけをすることもありますよ! もう修行のようですね(笑)」と広山氏が言っていたことを思い出した。周囲の人たちは、そうした練習の印象や広山氏のイメージから、エスポルチ藤沢といえば「ドリブル・リフティング」を連想するようだ。「それで実際に対戦すると『なんでパスもしてくるの?』と驚くんです(笑)」と相手の意表をつくことに広山氏は面白がるが、これこそまさに、これまでに話してくれた“駆け引き”が実践されていることの証明となるエピソードといえるかもしれない。


プロフィール
広山晴士(ひろやまはるお)

エスポルチ藤沢 代表
http://www.geocities.jp/roberuto1998/

1971年6月16日生まれ。愛知県刈谷市出身。静岡学園で活躍後、ジャトコ・サッカー部(東海リーグ2部)を経て、ヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ1969)に入団。1998年にエスポルチ藤沢(神奈川県藤沢市)を設立。クラブの指導方針に「テクニック重視の個性な選手育成」を掲げ、小中学生を対象としてサッカー・フットサルに取り組んでいる。

<Information>
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