一人のサッカー少年から世界チャンピオンへのぼり詰めるまで フリースタイル・フットボーラー徳田耕太郎選手インタビュー【前編】

2013年12月24日

インタビュー

肩の力を抜いて、常に“楽しさ”を忘れずに臨む

――しかし、実際に試合に臨む場合には「負けたくない」とか「ああしなければ、こうしなければ」といった気持ちが大きくなりやすいものだと思います。

根底にある大事なことは、楽しむことなんです。フリースタイルで練習してきた技を決めて、試合には負けたというとき、負けたことは悔しいですけど、大会を終わってみれば楽しかったなという気持ちが残るんです。だから、例えば、サッカーでも自分で一つのテーマを見つけて、それを達成すれば楽しさは残ると思います。試合中に1回は股抜きをしてみようとか。楽しみながらやると、負けても「あれをできたから、楽しかった」と思えるはずです。チームのテーマを実行するだけじゃなくて、自分が決めたテーマを実行する、しようとするだけで、楽しさは変わってくると思います。それは、今になって思うことですけどね。

ロナウジーニョやフットサルのリカルジーニョのプレーは、相手を翻弄してやっつけてゴールを決めるし、チームとしても勝つから、すごく楽しいですよね。彼らみたいに肩の力を抜いてゲームに行くと楽しめると思います。

――先ほど、相手の様子を見たら意外と緊張しているように見えたと言いましたが、強敵を目の前にして、冷静に分析しながらプレーをするのは難しいことでは?

そうですね。僕もサッカーをやっていた頃は、強いチームが相手だとなぜか体が動かなくなりました。サッカーは中学3年生までしかやっていないので、僕自身もピッチの中で冷静に考えられた経験は、あまりありません。でも、サッカーをスタンドとかで上から見ると「あっちにスペースがあるのにな」と分かることがありますよね。そういうことをプレー中に考えるようになると、自ずと見えてくるのではないかと思います。

相手にも弱点はあるし、うまくいけば勝てるという方法があるはずと思って探すわけです。もし、そのときに思い付いた方法がダメでも「じゃあ、次はこういうのはどうだろう」と考えることができると思います。そうすると、勝てる方法に出会えるかもしれないし、出会えなくても楽しいはずです。

――なるほど。

後編へ続く。次回は12月25日更新予定。インタビューとともに、徳田選手のスペシャルなワザも動画で紹介します!


プロフィール
徳田耕太郎(とくだ・こうたろう)
1991年7月21日生まれ、愛媛県出身。ニックネームはTokura(トクラ)
2009年にフリースタイル・フットボールの全国大会で史上最年少となる17歳で優勝。2012年の世界大会「レッドブル・ストリートスタイル・ワールドファイナル」で日本人として初めて世界一に輝いた。現在はワールドツアーで戦うとともに、国内外のワークショップやテレビなどに多数出演している。

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監修:徳田耕太郎
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今、世界中から熱視線を浴びているストリート系スポーツ“フリースタイル・フットボール”。サッカーでよく行われるリフティングをより高度かつパフォーマンス性を高めたスポーツだ。

競技人口、大会規模ともに年々大きくなっていくなか、昨年イタリアにて開催された世界大会「レッドブル・ストリートスタイル・ワールドファイナル2012」で世界王者となったのが、当時まだ21歳だった徳田耕太郎。並みいる世界の強豪を押しのけ、念願となる日本人初の世界王者となった徳田耕太郎が、今回50ワザものフリースタイル・フットボールのテクニックを披露する!

若き世界チャンピオンが実演し、その全50ワザを連続写真と詳細な解説で掲載するとともに、DVDに動画として収録。中には徳田が編み出したオリジナルのワザである「トクラ・クラッチ」なども紹介している。


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