一人のサッカー少年から世界チャンピオンへのぼり詰めるまで フリースタイル・フットボーラー徳田耕太郎選手インタビュー【後編】
2013年12月25日
インタビュー世界の舞台を経験して見えたものとは?
――では、技の話題から少し離れて「外の世界」と触れた経験についても聞かせて下さい。世界大会で得たのは、どんな刺激でしたか。
初めて出場した世界大会で、南アフリカに行きました。60カ国の選手が出場したのですが、英語を話せないのは、僕とコロンビアの選手ぐらいでした。英語を話せなくてもボールを蹴ることでコミュニケーションが取れたという点は、やってきて良かったなと思いましたけどね。今は世界中に友だちがいるので、どこに行っても何とかなると思います(笑)。
ただ、英語は話せて当たり前の世界なんだなと驚いて、英語を勉強するようにしました。競技面でも、日本大会で世界2位の選手に勝ってすごくなったつもりで行ったのですが、やっぱり世界大会にはとんでもない選手がいました。挫折に近い感覚でした。あれだけ練習してきたのに、こんな人たちがいるのかと。聞いてみると1日に10時間くらい練習しているとか言うんです。そんな奴に勝てるわけない、甘いな、勝ちたかったらもっと本気にならなければいけないと思いました。
――すごい練習をしても勝てない相手がいるというのは、やる気がなくなる瞬間だったのではないですか。
でも、逆にそれがないといけないと思います。そういう相手がいる世界で優勝したからこそ、勝ったことに価値があると思っています。それに、先ほどの話につながりますけど、やはり冷静に相手を見ることが大事です。イタリアで優勝したときもすごい相手がいましたが、僕は、「相手の選手のスキルは、すごい。でも、それがステージでどれだけウケるか」という見方ができました。相手の方が技のレベルが高くても、フリースタイルの世界ではジャッジやお客さんを魅了して味方につけることで勝利に近づくことができます。僕はそれがフリースタイラーに必要なものだと思って、ショーやパフォーマンスの世界を見て勉強をしています。だから、オリジナルの技もダイナミックで一般の人に伝わりやすいものになっています。
――世界大会優勝の報償として、ネイマール(バルセロナ)とのセッションも実現しましたよね。
大会直前にネイマールのビデオレターが放映されて「優勝した人をブラジルに招いて、僕とセッションをしよう」というメッセージを見ました。でも、そのときは「そういう賞があるんだ。僕には無理だな」としか思っていなくて、優勝した後に「ブラジル、いつ行く?」と聞かれて「あ、そう言えば、ブラジルに行けるんだった!」と思ったぐらい、完全に忘れていました(笑)。行ったときには、ブラジルサッカー界のアワード(年間表彰)をやっていたので、ネイマールやロナウジーニョなどすごい選手が勢ぞろいしていました。マスコミもたくさんいる中で短い時間でしたが、すごく特別な時間でした。ネイマールは、コンバースのスニーカーでもポンポンとやっていて、すごく上手かったです。でも、リフティングは、ルーカス(サンパウロ)の方が上手かったですね。ただ、僕たちの世代はもう少し上の年齢の選手を見て育ってきたので、実は憧れの選手はロナウジーニョでした。彼にはあと10メートルのところまで近付けたのですが、そこで彼は角を曲がってしまいました(笑)。
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