キッズ年代から取り入れたい! バランス感覚と判断力を伸ばす効果的トレーニング術【後編】

2014年01月16日

サッカー練習メニュー

相手との位置関係を〝知る〝体験をさせる

──お話をうかがっていると、子どもに必要な能力開発は、からだの使い方やバランスだけにとどまらないようですね。

はい、からだと頭は連動しています。状況を判断して適切に動くというのは一連の行動ですから。判断力、調整力ですね。それはボールを奪う、ゴールを狙うという、サッカーの目的を遂げるためには欠かせません。

よく見かけるのが、同じチームの仲間や顔見知りとはパスをまわしたり連携がうまくいくのですが、初めていっしょにプレーする他所の子とは、うまくサッカーができない、という光景です。そういう選抜やクリニックの機会が多い東京の子どもは比較的合わせやすいようですが、ふだんから仲間としかサッカーをしていない子どもだと、人見知りがサッカーに出てしまう。

いまFC東京の、育成のコーチングでは、自立がテーマになっています。自分で立つほうの自立ですが、自立すれば、こころとからだを自分で律することができるという意味も含んでいます。ですから、最終的には子どもを2本の足で立たせて、しっかり自立した子どもに育てることが目標ですね。

──相手との関係はどうやってトレーニングに入れ込むのですか。

ボールを2個使うものがあります。ふたりでコンビを組み、2個のボールをパスしあう。そしてコートの反対側までパスを交換しながら進み、2個ともゴールすればクリアです。ボールが2個あるので、正面に向き合って蹴ったら、ボール同士がぶつかってしまいますよね。それを避けるためには、互いに正面からからだをずらしてボールを蹴ったり、相手の立ち位置の横や頭などにコースをとってパスを出さないといけない。ところが、子どもたちがやってみると、ボール同士がぶつかって転がっていってしまう、そんなケースをよく見かけます。

相手との位置関係から解決策を考えて自分のからだを動かし、調整する。そういう体験を経ていないから、どうしたらいいか、わからないんです。これもくり返していくことで、修得のスピードに個人差はありますが、徐々に身についていきます。

──手本を見せないとわからないのでしょうか。

そういう側面はあると思います。バスケットボールの先生は、ひとりで3つのボールを操ってパスをまわさせたり、ボールを獲らせたりするトレーニングを実施しています。反射神経だけでなく、判断する頭も鍛えることができる複雑なメニューですが、これなどは、口で言われただけではわからなくとも、手本を見せてもらえれば視覚的に理解できます。眼で見てわかるように行動で説明すると、より理解が進むでしょうね。

──ご家庭でもできますか。

はい。スクールなどでご覧になっていて、これはできそうだと思われたものを、ご自宅で親子いっしょにやっていただけると、きっと役立つと思いますよ。

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