ファーストタッチで大きく開くブラジルとの差~日本との4つの違い
2014年04月23日
コラム昨年6月に開かれたコンフェデレーションズ杯(ブラジル・リオデジャネイロ)で、日本代表は優勝国ブラジルに0‐3と完敗しましたが、点差以上に注目されたのがファーストタッチの質の違いです。ボールを扱う技術が高いはずの日本がなぜ大事な局面でミスをしてしまうのか? 今回は、千葉県サッカー協会指導者育成チーフインストラクターを務める島田洋さん(千葉県立幕張総合高校サッカー部監督)にお聞きしたファーストタッチの育成法を紹介します。
文・構成●島沢優子 写真●Getty Images
※『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.30秋号』P034-036より転載
「ゴールへのアプローチのまずさ」から混戦でボールを受けている
ひとつめは、ゴールへのアプローチのまずさです。
日本の攻撃はゴールへ迫るスピードが遅いため、ゴールチャンスが生まれるバイタルエリア付近でボールを保持する際、多くの場合は混戦状態でボールを受けます。つまり、相手ディフェンスをはがしきっていない「相手につかれた状態」でボールを受けているのです。
例えば、ブラジルは後半3分、右サイドからのクロスにパウリーニョがワンタッチ目のトラップ、いわゆるファーストタッチのボールを守備のいないスペースに置いてゴールを決めました。
対する日本は後半5分、本田が岡崎にスルーパスを出しましたが、岡崎はトラップミスをして転倒してしまいました。
要するに、パウリーニョは相手を引き剥がした状態でファーストタッチを自分が優位になるスペースに運べているのに対し、岡崎は混戦のなかでボールを保持しようとしています。混戦のなかでのボールコントロールは難度が上がりますから、ミスが多くなるのは当然です。

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