育成現場で目にする怒鳴る指導。怒られると子どもの脳はどうなる?

2014年05月03日

コラム

怒鳴る指導になるのはなぜか

 また、怒鳴る指導が多いのは、「このレベルでできなければならない」という、コーチや親御さんの到達目標が高いのかもしれませんね。

 日々の練習であれば子どもたちが半分以上クリアできる練習内容にするのが大前提です。子どもたちがクリアできるものが多ければ、怒鳴ることも減ってくるはず。

 といっても、全部手放しで褒めてばかりいたり、簡単なことばかりやらせればいいのかというと、そういうことではありません。練習内容の難度の比率を6:3:1の割合で考えるとよいでしょう。

 たとえば、10個のトレーニングをするとしたら、そのうち6つは簡単に楽しくできることにします。そして、ひとつは困難で子どもたちが不得意なこと、さらに、残りの3つはできそうでできない練習にします。

 つまり、フォーメーション練習などの面白くない技巧的な練習や、10キロマラソンなどきついトレーニングを1割組み込んでメリハリをつけるのです。簡単な練習でも比較するものがないと、簡単さを感じなくなり、そうすると、慣れが生じて練習をさぼるようになってしまいますから。

 また、走るのが早い子、ボール扱いのうまい子など、それぞれが得意になれる練習を組めるといいですね。そのためには、コーチは、子どもたちがどのくらいの動きができるか、レベルを見分けていくことが必要になってくるでしょう。

 小さい子どもの発育していない脳は、理論的なことを考えることができないんです。つまり、子どもたちがわかる言葉で伝えていかないと伝わらないのです。

 実は私の息子も小学校からサッカーをやっていたんですが、小学校の頃に行っていたクラブは、普段から怒鳴っているコーチはいませんでした。

 試合以外のときなどに、コーチと子どもがボールで遊び、サッカーの楽しみを共有するような環境。そういうことで、コーチの言うことも子どもに伝わりやすくなりますし、そうしたベースがあれば、コーチと子どもには信頼関係ができていく。

 言葉も必要ですが、やはり体で表現できると、より子どもたちを納得させやすいかもしれませんね。

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