育成現場で目にする怒鳴る指導。怒られると子どもの脳はどうなる?

2014年05月03日

コラム

サッカーは脳全体に血液が回り、脳がよく働く体に

 運動ができる子は勉強もできる傾向があるといわれますが、偶然ではないのです。

 特に足に命令する神経細胞は、頭の一番上にあり、足に命令するためには、頭のてっぺんまで血液を上げないといけないので、サッカーは脳全体に血液が回り、脳がよく働く体になります。

 そして、サッカーでよく走っている子は、比較的冷静なはずです。運動を司る神経は思考と同じく脳の新皮質の部分を働かせているからです。よく走っている子は、誰がボールをどう運搬したらいいかを走りながらよく分析している場合が多い。そういう子は強くなります。

 レフリーも、よく走っているレフリーほど、試合を冷静によく見ているはずです。感情的になっていたら、走れませんから。脳は、感情と、運動や思考とを両方同時に働かせることは難しいのです。

 余談ですが、サッカーばっかりしていて大丈夫なのかしら?という心配をされている親御さんも多いと思います。

 サッカーのようなきついスポーツは続けることで体ができます。筋肉は作れるときに作っておくといいですし、若いうちに体を作っておけば、基礎代謝が保たれますから、まず病気をしません。

 サッカーの場合は、全身の筋肉からエネルギーが脳に行く状態が90分も続くわけですから、脳の集中力も長続きします。少年時代からサッカーでそのトレーニングを積んでいる子は、そのあとの人生の根性が効くと思いますよ。

 私の息子も本当にサッカーばかり。中学のときに、「ブラジルに留学したい」と言っていたほどのサッカー少年でしたし、高校もサッカー漬け。高校を卒業してから、医学部へ行くための勉強を始めたほどでしたから(笑)。

●怒鳴る回数を減らす6:3:1

トレーニング時間や練習項目の6割は、ゲームやごく簡単な基礎練習など楽しくできることを。3割はロングキックやドリブル練習など、できそうでできないこと。残りの1割はフォーメーション練習などの技巧的な練習や、10キロマラソンなどきついトレーニングなどの困難で不得意なことを入れて構成する。子どもたちがクリアできることを増やすことで、怒鳴る回数を減らしていく。


<プロフィール>
築山 節 (つきやま・たかし)

医学博士。北品川クリニック所長。脳神経外科専門医として多くの診療治療に携る。92年、脳疾患後の脳機能回復を図る「高次脳機能外来」を設立。『フリーズする脳』『脳が冴える15の習慣』『脳から変えるダメな自分』(すべてNHK出版)など著書多数。


 

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