「夢に向かうシンプルな生き方」を追求し続ける本田圭佑選手が歩んできた半生とは?
2014年06月07日
読んで学ぶ/観て学ぶガンバ大阪でのエリート集団との戦い
自分との戦いは家の中だけではなかった。エリート集団のガンバに行けば、熾烈な競争が待っている。特に誕生日が一緒で同じレフティである家長の存在は、本田にとって大きな壁であり、刺激だった。
「アキはクオリティが高かった。小さかったけれど、ドリブルに優れていたし、ボールタッチの仕方、体の使い方……、すべてが抜きん出ていました。でも自分も負けていなかったですよ。ガンバの練習は1対1、2対2、4対4、6対6とかほとんど対人で、体をぶつけ合うことばっかりやっていたけれど、俺だけじゃなくて、みんなアキに負けたくない気持ちは強かった。俺らのライバル意識って、人より多く飯食ったほうが勝ちとか、人より牛乳多く飲んだほうが勝ちとか、そのくらい凄まじいものがあった。俺たちの学年は個性にあふれていたから面白かったですね」
彼はレベルの高い仲間に真っ向から勝負していた。
ガンバのトレーニングはボール回しからスタートする。鴨川コーチも選手たちに交じって参戦し、いつの間にか熱くなってどんどん時間が長くなる。マーカーを10数個並べたドリブル練習などスキルを磨く内容も多く盛り込まれていた。
選手たちの競争意識を煽りながらテクニックや個人戦術を引き上げようというガンバ流のトレーニングを通して、本田の技術レベルは格段に向上した。
「圭佑が南アフリカワールドカップのデンマーク戦(ルステンブルク)で岡崎(慎司=現マインツ)の3点目をアシストしたシーンがありましたよね。ギリギリまで相手を引き寄せてから裏に出したあのプレーは、ガンバで身につけたもの。当時、アカデミーを統括していた上野山(信行=現アカデミー本部・強化本部担当顧問)さんがギリギリのところで判断を変えさせる力を養おうと意識的に取り組んだことが、圭佑にもプラスに働いたと思います。あいつは相手に当たられる瞬間がわかっているから、上手に持てるし、ヘンな踏ん張り方をしない。削られそうになったときの危機察知能力は本当にすごいですよ」(田中監督)
本田の努力はガンバの全体練習にとどまらなかった。夜遅く家に帰った後、さらに自主トレーニングをしていたのだ。
「あるとき、急な連絡事項があって、練習から帰った頃を見計らって家に電話をかけたんです。万博を出たのが夜8時頃だったので、9時には着いているだろうと。お父さんは出張で不在で、代わりにおばあちゃんが出たんですけど、『圭佑は今、公園にボール蹴りに行っているわ』と言うじゃないですか。『1回家に帰ってから行ったんですか?』と聞き直すと『毎日、行っとりますわ』と。あいつがどれだけサッカーが好きか、アキや松岡たち仲間に負けたくないかが強く伝わってきましたね。自主練習をやっていたことからもわかる通り、圭佑は何でも自分で考えて行動に移せる子でした。練習の指示が聞こえなければ『もう1回、言ってください』とハッキリ主張するし、走りの練習をさせると『走ることも大事だと思いますけど、ちゃんとボールを蹴る練習をさせてほしい』と注文をつけてくることもあった。そこまでの向上心は他の選手には感じられなかったです」(鴨川コーチ)
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