猶本光選手に学ぶ育成のヒント。頭脳派プレーヤーが大成する秘訣とは?
2014年10月01日
サッカーエンタメ最前線前回のコラム「なでしこジャパン未来の星・猶本光選手に見る才能の育て方・伸ばし方」を紹介しましたが、今回も猶本選手の育成に携わった3人の指導者の言葉から個性の育て方・伸ばし方のヒントを探っていきます。
文●木之下潤 写真協力●福岡J・アンクラス
大学進学で一変した環境も乗り越えて成長を続ける
高校卒業後、成績優秀だった猶本光選手は筑波大学に進学します。と同時に、浦和レッズレディース(以下、浦和)へ移籍。人生ではじめて故郷を離れたところで、学業と選手という二足のわらじを履いて生活することになりました。福岡J・アンクラス(以下、アンクラス)ではレギュラーとして活躍していたこともあり、浦和でも主力として期待されていました。でも、移籍1年目は思うようなプレーがいかなかったようです。アンクラスの河島美絵代表は移籍後も、たまに彼女と連絡を取り合っているようです。
「今季は試合に出場しているようですが、昨季は振るわなかったみたいですね。いろいろ環境が変わったこともあると思います。でも、猶本には現状を正面から受け止めるように伝えています。浦和にはいいベテラン選手もいて、学ぶべきことがたくさんあります。例えば、そのベテランが抜けたらもしかして彼女は主力としてプレーできるかもしれない。ただ、それでは選手としても人間としても成長できないのです。
それに猶本の両親はとてもいい教育をされているんです。以前、彼女のお母さんと話をした時に、こんなことを本人に言ったと語ってくれました。
『あなたがいくら調子がいいと言っても、レギュラーとして試合には出ていないじゃない。調子が悪くても結果を残していれば、あなたなら使ってもらえるんじゃないの』。
彼女の両親は、子どもを簡単に甘やかしたりはしません。現実から逃げている時は、ちゃんと自分に心のベクトルが向くように言葉をかけますし、調子が良くても鼻を高くしないように諭します。ただ、本当に行き詰まった時は優しく手を差し伸べ、優しく包み込むんです。ヤングなでしこでチヤホヤされても勘違いを起こさなかったのはあの両親の教育がしっかりしていたからだと思います。
私も6年間指導していましたが、猶本は心がタフな方でもありません。今季、レギュラーとして試合に出場し続けているのは、心が安定しているからではないでしょうか」
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