類似するふたつのボールゲーム。フットボールとハンドボールの間にいるバルセロナの存在

2015年06月12日

コラム

“ゴールを狙う意識”を持つこと

──ハンドボールでもバルセロナは強いのですね。ヨーロッパではチャンピオンズリーグもあってメジャーなスポーツだということを考えれば、ハンドボールを見る習慣があったバルセロナ(特にグアルディオラ監督時代)とハンドボールを見る習慣がほぼない日本のチームがバルセロナのサッカーを参考にしているだけでは中身に開きが出てくるのは納得できます。では、ハンドボール側の立場から見て、サッカーに活かせるハンドボールのエッセンスはどこかありますか?

 むかしサッカーコーチの方から聞いたのですが、日本の育成現場では、まず最初にインサイドキックやトラップを教えこむことが多く、それをずっとやるチームもあるくらいだと。

 しかし、アルゼンチンなどのサッカー強豪国ではインサイドキックやトラップを教えこむことはほとんどないので、自然とアウトサイドでのプレーが多くなる、ということを聞いたことがあります。

 その点を踏まえるとアウトサイドでドリブルしながらそのままの流れでパスを出すという形はハンドボールのドリブルやパス回しに近いので、そのあたりをうまく“ゴールを狙う意識”とオーガナイズさせればおもしろいかもしれません。

 どちらも四角いゴールにボールを入れた数を競い合うスポーツであることは間違いないので、まずは身体をしっかりとゴールに向けて“ゴールを狙う意識”を持つことが重要だと僕は核心しています。

0612ハンドボールyoshimura

<関連リンク>
『欧州フットボール批評』
『バルセロナの哲学はフットボールの真理である』
『バルセロナ戦術アナライズ 最強チームのセオリーを読み解く』

 


プロフィール
吉村 晃
(よしむら あきら)

1984年10月30日生まれ。兵庫県出身。2013年から日本ハンドボールリーグ・豊田合成ブルーファルコンでヘッドコーチを務める傍ら、男子ハンドボールU-21日本代表のコーチも務める。2012年にはハンドボールの本場・デンマークにコーチ留学。自身のブログ(AY-COPENHAGEN ハンドボール化するサッカー)ではハンドボールとサッカーの類似性や戦術に関して執筆もしている。


 

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