岩渕真奈選手の恩師が語る、日本を救った“ヒロイン”のジュニア時代

2015年06月29日

サッカーエンタメ最前線

「子どもは勝手に育つ」

 彼女はよくアウトサイドでターンするプレーをやっていますが、それも上のレベルの環境に放り込まれて壁にぶち当たり、その後自分で考えて、だんだんとできるようになったもの。体が小さい分、大きな選手と接触して潰されないための工夫をしていましたね。
 
 真奈のような子どもが入団してきたら、指導者は子どもをいじらず、持っている能力を殺さないように寄り添って伸ばしてあげることが大事ではないでしょうか。というのも、子どもは勝手に育つからです。

 大切なことは、その子どもが自分よりうまい選手に出会ったとき、もっとうまくなりたいと思って努力できるかどうかです。その強い気持ちがないと大きな成長は望めません。だからこそ指導者は、子どもの個性や特徴をできるだけ活かせるように寄り添ってあげるのです。

 ずっとドリブルで抜けなかった相手を、自分で工夫して考えて、あるとき抜けるようになったら最高ですよね。そういう成功体験があれば自ずと、もっと練習しよう、もっと努力しよう、という気持ちにもなります。

 そういう方向へ導く、あるいは気づかせてあげるような指導が増えれば、日本にはもっとバラエティに富んだ選手たちが生まれてくるのではないでしょうか。

 今でも真奈はふらっと関前SCの練習場に来て、小さな子どもとサッカーで遊んでいくことがあります。子どもが「お姉ちゃん、もういいよ……」と言うくらい、もう徹底して遊んであげて「ああ、すっきりした」といった様子で涼しい顔をして帰っていきます(笑)。

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