「監督以上にリーダーである必要がある」バルサ監督 ルイス・エンリケが語るトップに立つために必要な能力とは

2015年10月22日

コラム

2014-2015シーズンにバルセロナを国内リーグ、カップ、チャンピオンズリーグの三冠に導いたルイス・エンリケ監督。三冠達成の裏側にあった、緻密な戦術構築とは?『ルイス・エンリケ 最適解を導き出す信念と信頼のリーダーシップ』から一部抜粋して紹介する。

(著●リュイス・ラインス 監訳●小澤一郎 写真●Getty Images)

『ルイス・エンリケ 最適解を導き出す信念と信頼のリーダーシップ』より一部転載


BARCELONA, SPAIN - MAY 23: Head coach Luis Enrique Martinez of FC Barcelona speaks to the spectators after the La Liga match between FC Barcelona and RC Deportivo La Coruna at Camp Nou on May 23, 2015 in Barcelona, Spain. (Photo by Alex Caparros/Getty Images)

「人間として、監督としてのあるべき姿に常に忠実でいたい」

 ルイス・エンリケの監督就任会見は2014年5月21日に行われた。その会見は旧パラウ・グラナ2の跡地に建設されたアウディトリ1899で開かれ、数々の偉大な出来事に匹敵するだけの記録を打ち立てた。会見には、約200名の記者と60にのぼるメディアが出席したのだ。始動するプロジェクトはどのようなものか、誰を獲得するのか、誰の退団が認められるのか、といった質問についての新監督の言葉を誰もが知りたがっていた。

 ルイス・エンリケは数々の厄介な質問に対応しなければならないことを理解しており、逆に意図のある宣言をするための大きなチャンスであると考えていた。

 ジョゼップ・マリア・バルトメウ会長とアンドニ・スビサレッタスポーツ・ダイレクターの賛辞を受けた後、ルイス・エンリケは語り始めた。

「今日は私にとって、とてもワクワクする日であり、特別な日だ。新しいバルサを作り始める日だと考えている。人々を魅了することができるバルサ、人々の関心と人々の求める結果を全て勝ち取るバルサ。私がバルサBを去る時、『また会おう』と言い残した意味がわかってもらえるはずで、だからこそ余計に今日という日が特別に感じる。その言葉がどれだけ難しいことかは理解していたが、有言実行することができてとても嬉しい。私にとって今日という日は、あらゆる監督が夢見ることが実現した日でもある。

 バルセロナは、まだ監督としての経験が何もなかった頃の私を信頼してくれた最初のクラブだ。私はバルサのトップチームを指揮することを目標とはせずに一旦クラブを去ることにした。その理由を説明したい。というのも、こうした素晴らしい出来事というのは考えれば考えるほど実現しないものだからだ。

 自分にできる唯一のことは、とにかく自分の道を歩み、いつかチャンスが来ることを信じて日々を一生懸命生きることだけだ。今日はその夢が実現した日であり、唯一言えることは、とても幸せだということ。クラブに対して必要なことは何でもする覚悟を持っているし、人間として、監督としてのあるべき姿に常に忠実でいたい。

 今日から新しいシーズンが幕を開ける。今日の午後から重要だと思われる事柄について決めていきたいし、今シーズンが素晴らしい一年になることを願っている。このプロジェクトが持つ責任も難しさも理解している。

 ただただ、カンプ・ノウにおいて再びイムノを聞くことが待ち遠しい。ソシオの一人ではなく、監督として聞くことをとにかく楽しみたい。そして、バルサのトップチームを率いる監督という職業を楽しみたい。大事なことを言い忘れていないか気になるが、この辺りで終わりにしておこう」

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