浦和レッズ・遠藤航選手に聞く“守備の基本”

2016年06月10日

戦術/スキル

胸を張って存在感を主張する

――クセと言えば、首を振る以外にも、遠藤選手はいつも胸を張ってプレーしていますよね。意識しているんですか?

遠藤 それはシンプルに、存在感を堂々と見せようと(笑)。単純ですけど、DFはそういうことも大事です。「このDFは強そうだな」「抜けない気がする」という雰囲気をかもし出すために、胸を張っています

――どっしり構えて、さあ来なさいと(笑)。

遠藤やっぱり、ねこ背で不安そうなセンターバックは、味方も信頼できないと思うんですよね。プレーする上でも姿勢はすごく大事なので、DFの安定した姿勢を取るために、胸を張るほうが良いなと思ってやっています。

――その姿勢はメンタルにも影響を与えそうですね。守備のパフォーマンスも変わりますか?

遠藤 そうですね。僕はそうやって堂々と姿を見せることによって、自分のプレーに落ちつきが出るし、大事だなと思います。

――グループの守備について、最近の浦和レッズの試合で参考になるシーンはありますか?

遠藤 9節の名古屋グランパス戦は、中盤でボールを失ってディフェンスラインで勝負されたシーンが何度かありました。前半43分には、僕と槙野君(槙野智章)と森君(森脇良太)の3人で守って、最後はシモビッチ選手のシュートが外れたシーンがありましたが、あの場面を見てほしいですね。

――浦和のパスミスをシモビッチ選手が拾って、ドリブルで長い距離を運んで来たシーンですね。

遠藤 そうです。同数で攻め込まれたとき、どう守るのかですが、最初は和泉竜司選手がディフェンスラインに並んで、裏へ動き出しました。和泉選手がいちばん危ないから、まずは下がってケアをします。それからシモビッチ選手がフリーでドリブルして来るので、どこかのタイミングで止めなければいけません。
 
 ペナルティーエリアの少し前まで、和泉選手と一緒に下がった後、シモビッチ選手がシュートモーションに入ったので、そこで寄せました。そのとき僕がファーのシュートコースを切って、GKの周作君(西川周作)にニアを任せます。これもグループ戦術ですね。

 最終的にシモビッチ選手のシュートは左に外れたけど、自分と周作君が連係してコースを切ったからこそ、シモビッチ選手は難しいところをねらって外したのだと思います。

 そのプレーの後、周作君が「ナイス航!」と言ってくれたけど、その「ナイス」は、僕がファーのコースを切っているから、GKがセーブしやすいということ。全部が全部、シュートを身体でブロックできるわけではないので、うまくGKと連係しながら守ることが大事ですね。

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