「もっと考えろよ!」では子どもは上手くならない! 守備時の『オフ・ザ・ボール』の質を高める指導法

2016年07月25日

コラム

『浮き球の処理』は空間認知能力を養うことが重要

 このようなケースは相手ボールのときにも考えられます。相手陣内から自陣まで大きくボールが蹴りだされたシーンを例にしてみましょう。自陣内に走りこんできた相手フォワードと味方ディフェンダーがロビングのボール(野球のフライのような浮いたボール)を競り合うシーンを思い浮かべてください。

「味方のディフェンダーがボールの落下点を見誤ったり、バウンドしたボールを競り負けてしまったりして抜かれてしまうことが考えられるケースです。相手選手が競り勝った場合にはキーパーと1対1になってしまいますので、競り合いをしているときには、抜かれたことを考えてカバーすることで失点のリスクを減らすことができます」

 少し余談になりますが、最近はロビングのボールの処理に苦手意識のある子どもが多く見られるのだとか。飛んでくるボールの軌道を把握するための空間認知能力を高めるトレーニングの必要性を感じていると富永さんは言います。

「遠くから蹴られたボールが、どこに落ちるのか予測できないことが原因でトラップをミスしてしまうシーンがあります。ボールの落下点に入るのが遅いのです。一度ボールを弾ませてから、再び落ちるところを探す子どももいますが、バウンドは天然芝、人工芝、クレー(土)、体育館、それにピッチコンディションによっても異なります。むしろこれでは、わざわざプレーを難しくしてしまっていると言えます。それに処理する(ボールに触る)までに時間もかかりますので、相手選手と被ってしまうことがあります」

 空間認知能力はキャッチボールやドッヂボールのように空間に浮いているボールを扱うことで鍛えられます。富永さんは「(ロンドリーナの練習では)遠くから蹴りあげたボールを落とさずリフティングすることで、子どもたちの空間認知能力を高めるような工夫をしています」と練習方法を教えてくれました。

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