「日本を強化するためにアジア全体も強化する」マクロな視点を持つ日本代表・本田圭佑選手のビジョン。『HONDA ESTILO』のアジア戦略とは

2016年08月31日

コラム

「スクールの中身で勝負したい」

――こういうことを実施し始めたのはいつ頃からですか?

「以前から国内でもサッカー教室は実施していたのですが、海外で初めて開催したのは上海で、2014年頃でしょうか。それ以前は本田圭佑が所属していたロシアやオランダのチームでもトレーニングも兼ねてサッカー教室を開催することはありましたが、子どもたちに広く、無料で呼びかけてサッカー教室を実施したのはアジア圏内では上海が初めてです。本田圭佑がシーズンオフのときに1年で2、3国を訪れるというスパンで実施しています」

――活動の狙いというのは。

「一番の思いは、日本に色々なサッカー選手が来るように、世界中の子どもたちにも感動できるような体験やチャンスを与えてあげること。特に発展途上国など日々の生活が精一杯で、夢を持つこと自体が難しいという国の子どもたちに向けて、モチベーションを高めて努力を促す、そのきっかけを作りたい。もちろん、アジアは今サッカー熱が非常に高まっているのですが、それでも子どもたちに行き渡るチャンスにはばらつきがある。そこに我々が行くことで、一人でも多くの子どもにチャンスに与えられたらいいなと」

――実際にアジアで開催された手応えはどうでしょう。

「最近も、台湾、インドネシアを回ったのですが、子どもにとって大きなグラウンドで、提供する新品のユニフォームを着て、プロの選手やコーチからレッスンを受けられるわけです。本田圭佑もしっかり伝えるんですね。『大事なのは夢を持ち続けて、努力を毎日続けることだよ』と。現地の子どもたちはまっ直ぐな目で見ているし、しっかり聞いています」

――本田圭佑選手のアジアでのネームバリューは随一でしょうからね。

「これまで行ったアジアの国はすべて、日本をアジアのサッカー強豪国として認めていて、本田圭佑はその日本代表の中核選手で、彼のブランド力は高いと感じます。ただ、当然そのバリューを活かしながらも、スクールの中身で勝負したいと考えています。本田圭佑を超えないといけない、という我々スタッフ側のミッションは常に意識しています」

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