反骨心と向上心を感じさせる日本代表・原口元気選手。「生意気だった」少年の成長記
2016年10月07日
コラムあまりに鮮烈だった少年時代の原口
高いレベルを求める彼の努力は少年団の練習にとどまらなかった。自宅でサッカーボールと同じくらい愛情を注いでいた愛犬との1対1に挑むのも日常茶飯事。「犬がボールを奪いにくるんで、これをかわすのはすごくいい練習になった。正直、犬が手強かったですね」と本人も笑う。浦和レッズ時代によく見せていた弾丸ドリブラーの原点は、こうした地道な練習の積み重ねにあったのだ。
本人が意欲的に武器を研ぎ澄ましていくのを横目で見ながら、一さんは課題にも取り組ませた。それが守備であり、ヘディングだった。特にヘディングは元気少年が一番嫌いで苦手とするプレー。それを承知で、父はバランスのいい選手にさせるべく、あえて取り組むように口を酸っぱくして言った。
「当時の僕は全部足元で受けてドリブルする感じだったけど、『それだけじゃダメだ』と。親父が蹴るボールをヘディングする練習はよくさせられました。大人の蹴るボールは重いし痛い。自分があまりにも嫌がると、お母さんが止めてくれることもあったけど、僕には特別に厳しかったですね。
だけど今、考えると、もっとやっておけばよかったと思います。プロになった今もヘディングはそんなにうまくないから。公式戦で決めたヘディングシュートもわずか2点。岡崎(慎司=レスター)選手なんかはヘディングの練習ばかりしていたと聞いたけど、やっぱりうまいですもんね。状況判断に優れた直輝(山田=湘南ベルマーレ)もそうだけど、子どもの頃に何を重点的にやっていたかで、その選手の長所は大きく変わりますよね」と原口は神妙な面持ちで語っていた。
それでも、元気少年はドリブルという傑出した武器を磨きつつ、パスやシュートなど多彩なプレーを身につけ、小6のときには全日本少年サッカー大会(全少)と全日本少年フットサル大会(バーモントカップ)の2冠を達成する。とりわけバーモント決勝で兵庫FCから6点を叩き出した活躍は鮮烈だった。チームをけん引したスター・原口元気の名は、瞬く間に全国に知れ渡った。
カテゴリ別新着記事
ニュース
- 「2024ナショナルトレセンU-14(後期)」参加メンバー発表!2024.11.14
- 「Jヴィレッジチャレンジ 2024 powered by シント=トロイデンVV」が開催!2024.11.14
- U-19日本代表、メキシコ遠征参加メンバー発表。湘南ベルマーレ・石井久継も選出で10番を背負う!2024.11.08
- 「U-16日本代表候補 国内トレーニングキャンプ」参加メンバー発表!2024.11.07
フットボール最新ニュース
- 近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.24
- 「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.24
- 【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.24
- リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.24
- 前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.24
大会情報
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 大阪大会】フォトギャラリー2024.03.10
- 【卒業記念サッカー大会 第17回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2024.03.09
- 【卒業記念サッカー大会第17回MUFGカップ 愛知大会】フォトギャラリー2024.03.09
お知らせ
人気記事ランキング
- 「2024ナショナルトレセンU-14(後期)」参加メンバー発表!
- かつて“怪物”と呼ばれた少年。耳を傾けたい先人の言葉
- 関東選抜メンバー発表!【関東トレセン交流戦U-15】
- 「2023ナショナルトレセンU-13(後期)」参加メンバー発表!【西日本】
- 「フットサルって足下がうまくなりますよね」。それだけじゃないメリット “重要な決断” が繰り返される価値とは【8月特集】
- ビルドアップ能力を自然に高めるスモールサイドゲーム。スペインで行われるトレーニングデザインとその意図とは
- “早熟タイプ”か“晩熟タイプ”か。成長のピークはいつ訪れる? 子どものタイプを知ろう!!
- 「2023ナショナルトレセンU-13(後期)」参加メンバー発表!【東日本】
- すぐに「痛い」と言い出す息子…。
- 【第37回全日本少年サッカー大会】三重県大会 決勝レポート「最後まであきらめない気持ちで試合終了間際に得点した、大山田サッカースポーツ少年団が優勝!」