そもそも“8人制”はサッカーなのか。サッカーの本質、味わいを考える/スエルテ横浜代表 久保田大介氏 編【短期連載】

2017年03月27日

コラム

11人制サッカーの本質に近づくようにしないと意味がない

――“サッカーの味わい”という観点でいえば、ディアブロッサ高田FCのU-12監督・川上弘仁氏も同じ内容のことを言っていました。

「今の全少ではあまり“リズムの変化”が必要なくなっています。単純に穴が開けるとやられるし、1回ボールを奪われたらフィニッシュまでもっていかれます。当然、試合は選手も指導者も勝ちたい。そうすると、使えそうにない選手はベンチにいる機会や時間が増えてきます。JFAも全少を視察した後に『メンバー交代の少なさ』について指摘をしていました。

 当初は”出場機会を増やす”、“ボールにたくさん触れる”などが8人制の意図としてあったはずなのに、今は“ボールも人も多く触らずしてゴールに向かう”チームがたくさんあります。あるいは“ボールも人も多く触らずしてゴールにいけてしまう”という矛盾した状況が起こってしまっています。サッカーは本来『どれにしようかな?』という選択肢を複数持ってプレーするもの。そのようになっていないのは指導者の8人制サッカーに対する考え方や指導力が追いついていないからではないでしょうか。

 全少も実際は1クラブ2チーム出場のところも少なく、選手たちにとって出場機会は減っている面はあります。他にも8人制がゆえのローカルルールがあって、たとえばレッドカードが出ているのに人数が少ないから公平性が保てないからと選手補充OKをしているところもあると聞きました。もはやサッカーではありません。仮に8人制サッカーをやるのはいいのですが、そうであれば制度やルール、ピッチサイズなど11人制サッカーの本質に近づくようにしないと意味がないと思うんです。私には“大人たちが違う方へと向かわせている”ように見えます」

kubota

※『8人制サッカー検証』久保田氏後編は3/28(火)に掲載予定


ジュニサカ最終表紙元
【商品名】ジュニアサッカーを応援しよう! VOL.44
【発行】株式会社カンゼン
2017年3月6日発売予定
A5判/並製/176ページ

◆特集1 新学期から始める親のサポート術
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