大人が子どもの失敗を恐れすぎていませんか? メンタルコーチが語る「メンタルを鍛える」ことよりも大切なこと

2017年09月05日

メンタル/教育

子どもが楽しいと思える環境づくりを

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――確かに楽しいと感じさせる環境づくりは大切ですね。

飯山 もちろん中には「楽しい」と思えない子がいます。一つの方法としては、シンプルではありますが、練習前にみんなで「今日も練習を楽しもうぜー」「オー」とわざと声を出させたり、表現させたりすることです。もしくは、ゴールを決めたあとにみんなでハイタッチをするとか、言葉や表現を何か決めて練習に取り組むのです。これは子どもたちの気持ちを乗せる、一つの方法です。

 たとえば今までなかなかシュートを決められなかった子が、ようやくシュートを決めたときに、みんなでハイタッチしてあげるとどうでしょうか。「自分が決めて喜んでくれる人がいる」と感じると、子どもは嬉しいものです。そういった集団でできる決め事をつくるのです。そのほかには、練習終了後に、今日の良かったことや楽しかったことを、みんな話しあったりするのもいいのかもしれません。

 また一般的ではありますが、「将来の夢」を書いてもらう方法もあります。しかし、ただ単に夢を語るのではなくて、それを絵で描かせてみるのです。言葉だけではなく、絵で描かれることによって、視覚的にイメージが入ってきます。やはり何をイメージしているかによって、行動がいろいろ変わってきます。とくに子どもははっきりと表れやすいのです。

――指導者や保護者にとっても楽しませる環境づくりが重要ということですね。

飯山 そうですね。先ほどのゴールパフォーマンスの話などは子どもたち任せでできることだと思います。もちろん親御さんにも重要な役割もあります。たとえば、試合の日に帰りの車の中で、「あのコーチの指示は良くないよな」とか「今日のあのプレーはもっと違うようにできなかったのか」とお父さんお母さんが言ったりしていませんか?

 そうではなくて、「お父さんはおまえのがんばっている姿見たら嬉しかったよ」や「サッカーを楽しんでいるおまえが好きだよ」と、子どもが「またがんばろう」と前向きになるような言葉がけをしないと、子どもも楽しんでがんばれることができません。

 私が携わっている高校野球はサッカー以上にストイックなイメージがあるかもしれません。甲子園出場を果たすためには厳しい練習が必要です。しかし、大切なことは、たとえそれが厳しい練習でもあっても、自分が練習に対して肯定的に思えているかどうかにあります。ただ、厳しい練習を厳しいだけとしか受け止められていなかったら、選手のモチベーションはだんだん落ちてきます。

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