ボールを奪うことだけがディフェンスじゃない! ヴァランがみせる『守備の奥深さ』

2017年09月28日

サッカーエンタメ最前線

銀河系軍団であるレアル・マドリーを守備で支えるフランス代表DFラファエル・ヴァラン。DFというとボールを奪う能力に注目されがちですが、それだけがDFの仕事ではありません。ヴァランのプレーを見てみると、ボールを奪うこと以外の様々な守備の要素を感じることができます。特にセンターバック(CB)は、サイドバックに比べると攻撃参加の場面も少なく、目立つポジションではありません。しかし、サッカーにおいて、いかに相手に得点を奪われないかはとても重要なことです。失点をしないための守備について、ヴァランのプレーを参考にして考えてみましょう。

文●前田快/ジュニサカ編集部 写真●Getty Images


Club Atletico de Madrid v Real Madrid - Supercopa: Second Leg

足を出したり、スライディングをすることだけがディフェンスじゃない!

 ディフェンスのプレーというと、足を出して相手のドリブルを止めたり、スライディングをしてシュートをブロックするというプレーを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

 足を出したり相手の懐に飛び込んで間合いを詰めてボールを奪ったり、スライディングをしてチームの危機を救うことはとても大事なプレーです。しかし、90分という試合の中でDFがするプレーはそれだけではありません。

 DFの選択肢として、プレスにいくのか、それとも相手の攻撃を遅らせるのかなどの状況判断をしたり、コースを切って相手を誘導して体を入れたり、相手との1対1の際にフェイントに引っかかったふりをして、ボールを取りやすい方向にドリブルさせるという駆け引きもディフェンスのひとつです。

 このようにディフェンスをするときには多くの選択肢の中から、状況判断をしてプレーを選択しています。足を出したり、スライディングをすることだけがディフェンスではないのです。

 レアル・マドリーに所属しているフランス代表CBのラファエル・ヴァランは身長が191㎝もあり、その恵まれた体格を生かすディフェンスばかりをしているという印象をもつ人も少なくないかもしれません。しかし、彼のプレーをじっくりと見てみると、ヴァランはしっかり状況判断をして、極力スライディングを避けて粘り強いディフェンスをしているのがわかります。

 では、なぜスライディングばかりをするのを避けるべきなのでしょうか。それは、スライディングをすると次のプレーが遅くなってしまうからです。立っている状態でボールを奪ったほうが次の動作に素早くうつることができます。また、CBがスライディングをしてかわされてしまったら、失点に直結してしまいます。

 スライディングをしなければいけない場面は必ずあります。どういうときにスライディングで飛び込むのか、その状況判断がとても大事になってきます。ヴァランはその状況判断に優れたクレバーなディフェンダーです。また、ヴァランは次のプレーにうつる動作がとてもスムーズな選手でもあります。次のプレーにうつるのが早いということは攻撃への切り替えの早さに関わってくるため、とても重要なことです。

 足を出したくなるのをこらえ、飛び込まないことも守備をする上でとても大事なことです。動画をみてみると、ヴァランの守備は体勢を完全に崩される場面が少ないことも特徴的です。1対1のときはしっかり相手と対峙し、粘り強く守備をしています。そして、いざというときには体を張ってシュートをブロックし、チームの危機を救っています。ヴァランは、ボールを奪うだけではなく、そういった気持ちの部分でも負けない強い選手なのです。

≪ヴァランのプレー集≫

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