中学時代「レギュラー」ではなかった高卒ルーキー。「あんたがやめたいんやったら、やめればいい」支えになった親の姿勢
2018年01月16日
コラムジュニア年代はサッカーを”好き”になることが一番
――高校で一気に体が大きくなりました。
高校に入って10cmくらいですかね。入学の時は175cmなかったです。父が183cmあるから、遺伝的なものはあるかもしれません。ご飯は中学に比べてなるべく食べるようにしています。寝ることも中学に比べて朝が早いし、帰るのも遅いので睡眠時間は減ってはいるとは思いますが、寝るようにはしていました。
――中学の時にサッカーをやめていた可能性もあったのですか?
勉強できなかったんで(笑)、サッカーやめてホンマに何にも残らないというのがあって。何かひとつはがんばろうという気持ちがありました。簡単にやめられへん。がんばろうと思いました。
――世の中では「夢を見続けていれば必ずかなう」と勝手なことを言いますが、99.9999……パーセントの人はそれが実現できないまま終わります。でもそれでもコツコツやり続けていけば、それはかなうものだという実感はありますか?
そうですね。絶対誰かが見てくれていると思います。結構自分は運を持っているというか。僕はたまたま清水のスカウトの山崎さんが、あるフェスティバルの試合に僕じゃない選手のスカウトにきていて、そこで監督に「あれは清水のスカウトやから、がんばれ」みたいなことをいわれました。その試合で僕が決めて。その時はトップ下をやっていました。そこからリーグ戦とかを見にきてもらうようになりました。清水の練習参加してから、環境もいいし、雰囲気もいいし、「決めるのまだ早いんちゃう」と言われましたが、僕の中ではすぐに決めました。あんまりネチネチ考えるタイプじゃないんです(笑)。
――小学生の子どもたちに伝えるとしたら。
その年代は「好き」が一番だと思います。僕は学校から帰ってきてからサッカーを公園にしにいっていて、そういう経験が中学に響いてくると思います。とにかく好きという気持ちを忘れずにいたら。小学校の頃はとにかくサッカーが好きでした。見るのも。でも90分は長くて、ダイジェストでしたけど(笑)。小学校の時のクラブも結構厳しい指導でしたけど、自分はサッカーが大好きでしたし、やめたいとかなかったですね。
ただ中学1年の終わりに親に「やめたい」と相談したことがあります。でも「やめられへんな」と思ったんです。親も「あんたがやめたいんやったら、やめればいいし、続けたいんやったら続ければええんちゃう」って、僕の意思を尊重してくれました。逆に親の意見に縛られたり、誰かに強制されてサッカーやっているのはよくないと思います。自分で楽しいからやりたいと思うのが大切だと思います。それと中高になって、親に試合のことをあれやこれやっていわれるのがメッチャいやでした。帰りの車の中で、せっかく送り迎えしてくれてるんですが、試合のこといわれるのがいやで。「そんなん分かってるし」って。今は適当に流してます(笑)。プロに入ってからは、自分が絶対にスタメンで出ると分かってる試合は静岡に呼ぼうと思ってます。
「本人に決めされるようにしています」
西村選手のお母さんに聞いた言葉である。常に本人ファースト。それがすべての前提。親がキッカケ作りはしても、それを続けるかどうかは本人次第。本人がやるといえば、そこに自覚と責任、そして覚悟が生まれる。これは決してサッカーだけのことでなく、人生に置き換えることもできるだろう。
いよいよプロとして新たなスタートを切る西村選手。自分自身が決めた道を一歩一歩着実に歩んでいくことだろう。
<プロフィール>
西村 恭史(長野FCジュニア→長野FCジュニアユース→興国高校サッカー部→清水エスパルス)
本来はFWだが恵まれたフィジカルを武器にCBを、さらに足にボールの吸い付くテクニックをあわせもちトップ下もこなす。プロではその両方の武器を活かすためにボランチで勝負。これまで日本にいなかった大型ボランチとしてブレークスルーを起こす可能性大。
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