なぜ育成年代では「2対2」が重要なのか? フットサルから「オフ・ザ・ボール」を学ぶ価値を考える【8月特集】
2018年08月27日
育成/環境今月は「少人数制」をテーマに特集を組んでいる。前回掲載したフウガドールすみだ・須賀雄大強化本部長兼監督インタビュー(「ジュニアでは5対5でプレーするのもまだ大きい」。考える力は”2対2″から鍛える)では、「戦術の理解の仕方」を中心に紹介した。全5回でお届けする須賀氏へのインタビューの4回目である今回は、育成年代における個人戦術(2vs2)の重要性について考えていく。
文●木之下潤 写真●村井詩都 佐藤博之、ジュニサカ編集部
フットサルのアイデンティティをサッカーでどう出していくか
――チームでプレーするにあたり、結局2人の関係からプレーが発生していて、そこから遠くなるほどプレーにどう関わっていこうかというオフ・ザ・ボールの部分が重要になると思います。それを育成組織のジュニアチームにどうアプローチされているんでしょうか?
須賀氏「サッカーに対してフットサルをどう落とし込んでいくのかは言語化も含めてまだまだこれから確立していかなければならない要素が多いです。現在クラブ内で沢山のトライ&エラーを繰り返している段階です。
例えば、フットサルではゴールキーパーがボールを持った時に手前の選手にパスを出すのはスタンダードです。しかし、私は高校生までゴールキックというものは基本的に遠くに蹴るのがスタンダードだと思っていました。そこでゴールキックを丁寧にビルドアップしてプレス回避をしているチームを見たときに時に驚きました。『えっ、蹴らないの?』って。
だからサッカーの試合を見たときにゴールキック時にビルドアップに挑戦せずに全て蹴るだけの試合を見ると『どうして遠くに蹴るだけなんだろう?』と思います。もちろんコントロールが難しいサッカーボールで自陣にて相手のプレス回避を行うのは難しい挑戦であると思います。
フットサルではコートが狭いので常に自陣のゴール前でプレーすることになるので必然的にボールを失えば即失点のストレスがかかるシチェーションでプレーすることが増えます。それを回避する為にはボールの持ち方と周りのサポートの質(2対2)が重要です。小さな頃からそのトライ&エラーを繰り返すことで結果として相手のプレスにも動じない自信をつけることができるのではないでしょうか。
またフットサルのゴールクリアランスの時と同じようにゴールキック時に簡単なサインプレーがあっても面白いとジュニアチームの金川武司監督にリクエストを出しています。フットサルのプレーを全く同じようにできるとは思いませんが、その中で同じように振る舞ってみたらどうなるのかっていうのはフットサルクラブならではの楽しみでもあります」
――これからトライ&エラーの繰り返しですね。
須賀氏「私たちがやってほしいプレーが勝ちたい子どもたちのプレーの妨げになるとそれは大人のエゴを押し付けることになるので、なるべくそうならないようにしつつも『最終的にはこうだよね』というところにつなげていってあげたいです」
――U10年代では、頻繁に2対2のトレーニングをしているんですか?
須賀氏「フットサルのトレーニングでは2対2がベースになります。私たちのスクールは「2対2をマスターする」というビジョンを掲げていて、それがジュニアチームのタスクなんです。2対2の中でどういうプレーができるのか。
実は、近々2対2の大会を開催しようと計画しているんです。3人組でエントリーしてもらってゴールキーパーは入れても入れなくてもいい。とにかく2対2にはいろんなバリエーションがあると感じてもらうのが大会の目的です。真剣勝負の中に豊かな発想がたくさん出てきておもしろいのではないかなと期待しています。5対5のフットサルはもちろん大事なんですけど、そういう大会があるとフットサルクラブの育成組織として『2対2が大事なんだよ』ということをコンペティションによって楽しさが増すのかなと思っています」
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