ボランチに重要な“ボールを引き出す動き”。バルサの絶対的支柱ブスケッツが見せる”マークの剥がし方”
2018年03月19日
サッカーエンタメ最前線メッシ、スアレス、コウチーニョ、イニエスタといった超強力な攻撃陣を擁し、リーガで首位を独走しているバルセロナ。そんな強力な攻撃陣を中盤の底で支えているのはスペイン代表MFのセルヒオ・ブスケッツです。彼は得点を決めることでチームに貢献しているわけではないですが、今のバルセロナにおいて代えの利かない絶対的な存在です。バルセロナの攻撃はブスケッツから始まるといっても過言ではないでしょう。そこで今回は世界最高のボランチであるブスケッツのプレーを参考に、ボランチに必要なある動きについて考えてみましょう。
文●前田快/ジュニサカ編集部 写真●Getty Images
≪ブスケッツのプレー集≫
ブスケッツから学ぶボールを引き出す動き
ブスケッツのプレー集を見ていると、彼は常にDFラインの前に顔を出してボールを受けていることが分かります。DFラインの前に顔を出してボールを受け取り、ターンして前を向く。この一連のプレーを世界で一番極めている選手がブスケッツなのです。
「DFラインからボールをもらって前を向く」というプレーは、ボランチのプレーの中でも一番重要なプレーだと言えます。そして、すごくシンプルで簡単なように感じるこのプレーは、実はとても奥が深く、難しいプレーなのです。
では、どこが難しいのでしょうか。まず、「DFからボールを受ける」ことを考えてみましょう。DFからボールを受けるだけなのだから、ずっとDFラインの前にポジショニングすればいいだけのように感じるかもしれません。
しかし、DFラインの前にただいるだけでは、絶対にボールを受け取ることなできません。なぜなら、実際の試合では相手のFWやMFが、パスの供給源であるボランチの足元を常に狙っているからです。
つまり、自身についているマークを振り切り、フリーの状態でボールを受ける必要があるのです。ただマークを振り切るだけなら相手より早く動けばいいだけなのですが、ボランチがマークを外す際はそんなに簡単にはいけません。
もちろんトップスピードで動いて、マークを剥がすことはできますが、100%のスピードでDFラインの前に顔を出しても、ボールを正確にコントロールすることはできません。そのようなスピードでボールをもらいにいっても、トラップミスにつながります。
つまり、ボランチはボールをうまくコントロールできるぐらいのスピードでマークを振り切らなければいけないのです。ブスケッツを見ているとすぐに気づきますが、彼は全力でボールを受け取りには行っていません。
すると、ある程度スピードをセーブした状態で、マークを剥がしてボールを受け取るためにはどうすればいいのかという問題が出てきます。この問題のクリアの仕方は2通りあります。
1つは、相手をフェイントでかわすことです。ボールを受け取るそぶりをギリギリまで見せず、ゆっくり動きながら、自分のタイミングで緩急を使ってマークを外すことができます。もう1つの解決策は、ボールを受け取ってからのターンのバリエーションを増やすことです。
ブスケッツは後者の方法で相手をかわしています。彼のターンの技術は、間違いなく世界最高です。CBから受け取るときは足の裏を使って前を向き、サイドバックから受け取るときは、体が開いた状態で受けることができるように、インサイドでボールを受けることが多いです。
ボランチにおいて重要なのは、いい場所で受けてターンすることなのです。いい場所で受けるだけでは相手がいるので、もう一度後方へボールを返すことしかできません。このようなDFラインとのパス交換も大事ですが、前を向くことにこだわることもとても大事です。
常にDFラインの前に顔を出してボールを引き出すという単純に見えるこのプレーは、正確なボールコントロールの技術、ターンの技術、状況判断力など様々な力が組み合わさって初めてできるプレーなのです。ジュニア世代の子どもたちは、ブスケッツのプレーをぜひ参考にして、ボールを引き出す動きを身につけましょう。
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