「練習したことは試合に出る」。湘南ベルマーレの監督と主将がレアル戦で感じた課題とは?【4月特集】
2018年04月11日
コラム4月の特集は、「ジュニア年代の課題」をテーマにその検証と考察を行っている。前回の第一回目の特集記事「U15とU12のサッカーで起こっている課題が同じなのはなぜか?」では、日本の育成が抱える大きな課題の一つとして「状況に応じたプレーを味方とともに行うことができない」ことに触れた。そこで、今回は「U-15 キリンレモンCUP」で準優勝を果たしたが、レアル・マドリードに2度の力負けを喫した湘南ベルマーレの監督とキャプテンの決勝戦後の言葉からその課題を見つめてみたい。
■第1回
「U-15」と「U-12」年代のサッカーで起こっている「課題が同じ」なのはなぜか?
取材・文●木之下潤 写真●ジュニサカ編集部
出し手と受け手の関係の中でのレベルを上げる必要がある!
3月末に開催された「U-15 キリンレモンCUP」では、スペインの名門レアル・マドリードがJクラブや関東の強豪町クラブを全く寄せつけず、圧倒的な力を見せつけて優勝を果たした。今大会、奇しくも開幕戦と決勝戦が同じカードになったが、世界を体感できる意味で、運良く2度の対戦ができた湘南ベルマーレは一体何を感じたのか?
決勝戦後に行われた合同取材のインタビューを全文記したい。まずは湘南ベルマーレの監督を務めた浮嶋敏氏の言葉からだ。
――決勝戦を振り返った感想は?
開幕戦から準決勝まで、うちは先制点を先に取っていた中でレアルに先制点を奪われた後に2点目を取られるまでよく踏ん張っていました。そこで自分たちのペースをうまくつかめなかったのが残念だったなと感じています。選手はすごくいい経験をしたと思います。
――決勝の相手はレアル・マドリードでした。自分たちのサッカーが通用した部分と通用しなかった部分を教えてください。
レアルは個人ですばらしい選手が多かったです。うちだけでなく日本チームにとっては個人の部分で1対1だとか、ボールを動かす力だとか、世界の同年代と比べるとまだできていないなというところがあったと思います。
――この三日間で学んだことは何ですか?
海外のチームと戦うと普段体感できないレベルのパスが来るとか、スピードとか、国内同士よりはレアルのようなAクラスのチームと試合をやる方が学べたところは多かったと思います。そういうところが育成年代からちゃんと上に積み上がっていくことで世界レベルのチームへと繋がっていくんだなと実感できたことがいい体験になりました。
――攻撃でも守備でも前を向けた状態の時は互角に戦えていました。でも、後ろ向きにさせられた時はボールを後ろに下げてしまったり、マークを見失ってしまったりと普段通りにプレーできないことが多く見られました。そのあたりの解消をどうお考えでしょうか?
前を向くというのは基本的なことですが、相手のフィジカルが強くて前を向けなかったり、パスのスピードが遅いことで前を向けなかったり、一つの部分ではなく、出し手と受け手の関係の中でのレベルを上げていかないと相手のディフェンスのレベルが高くなるとできないんだなというところで勉強になりました。これをもっと日常のトレーニングから環境として作り出してやっていかないといけないなと感じています。ただ、今日のうちの選手はすごくよかったと思います。
――0対2という結果になりましたが、勝負をわけたところは何だったと感じていますか?
やっぱり個人のところ、『ここが勝負どころ』という点でレアルは力があるな、と。選手としても、チームとしてもそこを感じる力が高かったですし、うちはそこを止められなかったのが差だったなと思います。2点目をこぼれ球を押し込まれた形でしたが、特に1点目はそういうところが原因だったかなと感じています。
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