「特別に目立つこともなかった」幼少期。中島翔哉の”才能”が磨かれた原点とは

2018年05月18日

コラム
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年齢を超えた人との遊びの中で技術を磨いた

 それだけ高い目標を持っている翔哉少年だから、興味のあることには貪欲に食らいついていく。

 その象徴的な出来事が、ヴェルディコーチ陣との練習前後のミニゲームだ。サッカー大好き少年は誰よりも早くグランドに来て、1人でリフティングやボールコントロールの練習をしながら、大人たちがボールを蹴っているところをチラチラ見ていた。

「今のサッカー少年はグラウンドの端っこやクラブハウスで喋っていて、ギリギリになってボールを蹴り始める子が多いけど、翔哉は大人相手でも構わず『自分を誘ってほしい』というオーラを前面に押し出していました。そこで、自分やユーススタッフだった菊原志郎さん(元横浜F・マリノスU― 15 監督)や都並(敏史=現ブリオベッカ浦安テクニカルディレクター)さん、ジュニアユースのスタッフだった冨樫(剛一=現東京ヴェルディ強化部アカデミーダイレクター)さんや西ヶ谷隆之(現SC相模原監督)といったコーチングスタッフが『こっちへ来い。一緒にやろう』と声をかけると、喜んで飛びついてきた。そうやって毎日のようにボール回しやミニゲームを一緒にやりましたね」と中村コーチは述懐する。

 いつも同じ小学生とプレーするより、年の離れた大人とボールを蹴った方が自分の足りない部分を発見できるし、新たな技にも思い切ってチャレンジできる側面はある。翔哉少年は年齢を超えた人との遊びの中で自らの技術に磨きをかけていった。こんな彼の成長に菊原氏も目を細めていた。

「遊びのゲームといえども、負けたらシャトルランや腕立て伏せ、腹筋といった罰ゲームを採用するなど、ある種の厳しさを持ってサッカーに取り組んでいました。3点先取のミニゲームで2―0で勝っていても『適当にやってちゃいけない』と翔哉には口を酸っぱくして言った覚えがあります。そこで相手に1点を取られてしまうと、ゲームの流れがガラリと変わり、相手にペースが行ってしまう。だからこそ、守備面での積極的なチャレンジが必要なんだというアドバイスをしましたね。こういった遊びの中で試合の流れを読む力や戦術眼を養えたのは大きかったと思います。翔哉は守備面のハードワークをしっかりする選手ですけど、少年時代から小さなことの積み重ねはすごく大きいと思います」

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