GKの最適なポジションはどう決まるのか? 重要な”4つのスピード”とは
2018年07月27日
コラム「ゾーン」に応じて準備をする
そしてもう一つ、正しい距離を決めるための重要な指標があります。それはボールの位置と角度です。図のような3つのゾーンが基準になります(図8)。ゾーン1(スタンド)は、立っているだけで守れるゾーンです。ゴールへの角度が狭いので、守る幅は2・5メートルくらい。
身体と腕を伸ばせば届く範囲です。ゴールの幅をカバーできているので、ボールを持つ相手FWとの間合いを詰める必要はありません。ニアポストで我慢し、相手のアクションを待ち、そのまま手足を出してセーブします。飛び出さず、ここで待っていれば、真ん中に折り返されたパスにも対処できます。
たとえば真ん中からゾーン1に出たパス、あるいは外へ流れて行くドリブルに対し、私は「あまり詰めるな」とGKに伝えます。なぜなら、その必要がないからです。間合いを詰めすぎると、動いている途中にシュートを打たれて股の下を抜けたり、真ん中の味方にパスを折り返されたり、といったプレーで簡単にはがされる恐れがあります。
スタンドゾーンは決して重大な危機ではないのに、GKが先に動くことで、相手FWに正解を与えてしまうわけです。だから、詰めずに相手FWに考えさせる。ゾーンに応じた『準備』で、正しいポジションと距離を取ることが大切です。
ゾーン2(フォール)は、そのまま倒れるだけでボールに届くゾーンです。図のようなポジションに立てば、守る幅は最大でも3・5メートル程度。それほど強くジャンプする必要はなく、ただ身体を伸ばして倒れるか、あるいはワンステップして倒れればボールに届く範囲です。
逆にゾーン3(ダイビング)は、ここから打たれると難しい位置です。最大で5メートルくらいの幅を守らなければいけません。ぎりぎりのコースに来たボールに対しては、思いきり踏み切ったダイビング、いわゆる派手なセービングが必要になるのが、ゾーン3です。
ゾーン1とは違い、シュートを打たれそうなら、思い切って間合いを詰める必要があるかもしれません。行くべきゾーンなのか、待つべきゾーンなのか。ボールの位置(角度)を考慮しつつ、先ほどの相手FWや味方DFの状況といった認知や判断と組み合わせて、GKの正しいポジションが決まります。
【商品名】ドイツ式GK技術革新 GK大国に学ぶ「技術」と「理論」
【著者】川原元樹・清水英斗
【発行】株式会社カンゼン
ドイツのトップクラブで学んだGKコーチが説く「GK技術」の決定版!
☆体得すべき3つの原理原則
【ゴールディフェンス】【スペースディフェンス】【オフェンスアクション】
世界トップクラスのGKを育成し続ける“GK大国”ドイツには、マヌエル・ノイアー(バイエルン・ミュンヘン)やテア・シュテーゲン(バルセロナ)といった名だたるGKが君臨し、自国リーグのGKも総じてレベルが高いことで有名。
ドイツで「当たり前」とされているGK技術を、日本のGKは「当たり前」に身につけられているのだろうか?
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