【熱中症予防・応急処置】救命救急医に聞く「子どもが弱音を吐ける環境作りを」
2018年08月09日
コラム
子どもが「弱音を吐ける」環境作りを
小学生の場合は、普段から「調子が悪ければ大人に素直に言える環境作り」が大事です。監督やコーチに対して、“弱音を吐きやすい環境”がなければ、子どもは我慢し続け、最終的には取り返しのつかない状況になることも十分に考えられます。
“言い出しにくい”“かっこ悪い”“迷惑をかけたくない”。子どもがこんな気持ちにならないように、日常的に何でも話せるようなコミュニケーションを指導者の皆さんは図っていきましょう。明らかに体調が悪いにもかかわらず、練習や試合に参加しようとする子ども対しては、「熱中症は大変なことになる場合もあるんだよ。また、元気になったときにサッカーしよう」と伝えてあげてください。
WBGTが31度を超えてしまっても運動が完全にできなくなるわけではありません。暑い中でも運動するというのは体を鍛えるという意味では一定の効果はあるかもしれません。
ただ確実に言えるのは勝ち負けがかかった公式戦や記録がかかった大会をやるのに適した環境ではないということでしょう。団体競技にしても個人競技にしても“暑さに勝つことが強い者の証”という考え方がそのスポーツの本質ではないわけですから。 この酷暑の中で子どもたちを追い込むのはあまりにも過酷ではないでしょうか。
また、保護者の皆さんは、食中毒にも気をつけてください。対処としては、飲食料(経口補水液なども)やできる限り、市販のものを子どもたちに持たせましょう。節約のために、お弁当や飲み物を手作りして、子どもたちに渡すご家庭もあるかと思いますが、その場合、市販品と比較して食中毒のリスクは高まってしまいます。
大抵の場合は大丈夫ですし、大きな問題は起こりにくいですが、費用が多少かさんだとしても、未開封の市販品のほうが“食中毒のリスク回避”という意味では、効果が高いと言えます。
<プロフィール>
三宅康史(みやけ やすふみ)
帝京大学医学部救急医学教授。帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター長。厚生労働省発行の熱中症診療ガイドラインの作成に携わるなど、熱中症対策・医療のエキスパート。著書に『神経外傷 診療ガイドブック(メジカルビュー社)』『熱中症Review―Q&Aでわかる熱中症のすべて(中外医学社)』などがある。
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